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『現代短歌新聞』2022年9月号

①「インタビュー鮫島満氏に聞く」島木赤彦文学賞受賞おめでとうございます。〈定型詩ですから、短く言う必要があったことは考えましたけれど、歌人は結構、好き勝手に作っているものだな、と(…)〉茂吉の遠田、佐太郎の立房、左千夫の菜田、赤彦の遠はろ。
〈明治、大正の頃は日本語の語彙が乏しかったから、鴎外は翻訳する際に新しい日本語をどんどん作った。「獣苑」も鴎外の造語だろうと思いますね。〉さりげない言葉で意味が分かるから、そのまま読んでしまうが、結構言われてみると造語って短歌の中には多いものだな。面白い。
 そう言えば、『歌壇』7月号でも「短歌の中の造語の魅力」という特集が組まれていた。小池光が茂吉の造語について書いていた文が面白かった。

②服部崇歌集『新しい生活様式』の歌集評を寄稿しました。 noteで公開しています。

③小塩卓哉「短歌文法道場 「同じ」の連体形」
〈「同じ」はシク活用の形容詞です。連体形は「同じき」で間違いありません。しかし、古文では和歌に限らず、この語が体言に続く場合、「き」を省いた「同じ」を用いることが珍しくありません。〉
〈現代語の「同じ」は、形容詞ではなく、特殊な活用をする形容動詞「同じだ」の語幹と考えられます。動詞や形容詞の場合、現代語では終止形と連体形が同じですが、形容動詞の場合の活用語尾は、終止形が「だ」で、連体形が「な」です。しかし、「同じだ」の場合は名詞につく場合、連体形は語幹の「同じ」をそのまま用います。よって現代語で短歌を作る場合は、連体形を用いる際には必ず「同じ」を使うことになります。〉
    これは「同じ」特有なのだろうか。とても整然と説明されているが、普段ここまで考えてこの語を使ってないなあ。

2022.10.12.~13.Twitterより編集再掲