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短歌同人誌、個人誌、他結社誌感想文

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短歌の同人誌、個人誌を読んで、好きな歌の一首評をしたり、気になった記事の感想を書いたりしています。出版社が出しているものや、他結社の結社誌も対象にしています。
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#tanka

『半券』006 2024.9.

①紫陽花が眩暈のように咲いているあなたを過不足なく愛したい 山本夏子 他者を過不足無く愛…

川本千栄
13日前
3

『Lily』vol.3

とてもとてもいい色の表紙。 ①どうしてと幼い口の問いかけに二割答える皿洗いつつ 魚谷真梨…

川本千栄
2週間前
5

『風』秋2024年9月号

①「島根の推し歌人」 でも、楽しかったんだよな。翅音できみを怖がらせていた頃は 田村穂隆…

川本千栄
2週間前
1

『白珠』2024年9月号

安田純生「「さす」と「さる」」 〈もともとの言い方は「理解せさす」あるいは「批評せらる」…

川本千栄
2週間前
2

『方代研究』第75号

大井学「「山崎方代」という嘘」 〈現実に存在している方代が、歌という詩の中に「方代」を歌…

川本千栄
2週間前
2

『かりん』2024年8月号

郡司和斗「短歌のなかの共時者性」 〈真の当事者や完全な当事者、第一の当事者を設定すること…

川本千栄
2週間前
2

『白珠』2024年8月号

安田純生「補足のようなもの」 〈尾上柴舟の歌の初句の「生き残り」には与謝野寛や金子薫園など、落合直文を知る人が次々他界していく中、自分だけは寂しく生き残っているという感慨がこもる。〉  ここにあがっている人々の交流の深さに驚く。落合直文の持つ人脈の濃さ。  同論の、金子薫園が昭和二十六年、尾上柴舟が昭和三十二年没、というのも改めて驚く。二人共、歴史上の遠い遠い昔の人物という感じなのだが、戦後まで存命だった。それもそうだ。近代短歌史は案外短いのだ。『みだれ髪』から終戦まで45年

『水甕』2024年8月号

前田宏「前田夕暮の足跡 第一回」 〈諸家により書かれてきた様々な夕暮論考では未だ触れられ…

川本千栄
3週間前
2

『心の花』2024年8月号

 『心の花』8月号の特集「ほろ酔いインタビュー23佐佐木幸綱交友録」で出席者の加古陽様と奥…

川本千栄
1か月前
4

『舟』第44号にて

 現代短歌舟の会機関誌『舟』第44号にて、北神照美様が、「藤田武の作品の口語についてー近頃…

川本千栄
1か月前
5

日本現代詩歌文学館館報『詩歌の森』第101号

佐々木幹郎「いかに「生」と「死」を扱うか」 〈人間の「生」と「死」は、ミクロサイズでそれ…

川本千栄
1か月前
7

『フランス短歌』Vol.4 2024

①ぬばたまの闇ありドイツにパレスティナ支援をさけぶこと叶わざる 美帆シボ 日本では見ない…

川本千栄
1か月前
6

『かりん』2024年7月号

郡司和斗「時評」  〈僕が「口語短歌」とみなされている歌群の中で、文法的には詠嘆している…

川本千栄
2か月前
2

『まひる野』2024年7月号

狩峰隆希「詞書による時事の後景化」  〈五十日間にわたって、その日の時事をピックアップした詞書が一首ごとに付されている。いっぽう、歌自体は詞書の内容と関連したものではなく、全体を通して日常詠の色合いが強い。〉  大口玲子連作「この世の片隅で」について。  〈本来詞書とは、一首に収まりきらない情報を補い、歌を下支えするものとしてあるが、一見してわかるようにこの連作の場合はそれとは異なる役割をもっている。(…)時事と日常の分立、ここにこの連作の狙いがある。〉    「特集 時事詠