大人になってから怒ってくれる人
大人になるにつれて人から怒られることが減っていった。
怒られることは嫌いだが、最近は怒られないということに不安を感じるようにもなってきた。
今まで子供のころから怒られてきたので、今更怒られるようなことはしなくなったため怒られなくなってきた、ということが一つある。
だがそれ以上に、大人になるにつれて怒ってくれる人がいなくなってきたように思う。
怒るということは人の行動の間違いを伝えてあげること。
怒ることで相手と距離感ができてしまうというリスクがあるため、信頼関係ができているか、そのリスクを取ってでも伝えたいという優しさがないとできない行為だ。
それに、怒るという行為はかなりエネルギーを必要とする。
だから、どうでもいい人には怒るということなど基本しないのだ。
子供のころは両親や先生に怒られていた。
怒られることは嫌いだが、何がやってよくて何をやってはいけないのかを教えてくれていた。
だから、怒られることで自分の間違いを正せる、という安心感を今になって感じる。
怒られていない今は不安になってくる、自分はこの生き方でいいのか、何か他人に迷惑をかけてはいないか、と。
学校が終わって社会人になる一ヶ月前、高専時代の先輩に
「会社に自分を怒ってくれる人を作ったほうがいいよ」
ということを言われたことを思い出す。
その言葉の意味が最近になって理解できるようになってきた。
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