見出し画像

音楽家として社会との向き合い方について考える

井上陽水の「氷の世界」誕生秘話映像を観て
日本で100万枚売れた時の録音の様子を知った

ムーグ、メロトロンと現代でもとびきりの音源が贅沢に使われたそう
ニールヤングからインスパイアされた、そして忌野清志郎と作った
「帰れない二人」
サウンド、タイトル、歌詞にこだわり
スティービーワンダーが使ったエレキチェンバロとかもう
その頃の最新の西洋音楽機材も取り入れてて稀代のヒットメイカーの
お金の注ぎ方は半端なかったのですね
そしてこの曲は現代にも通底する
社会と適合できない人のことを歌ってる

分野は違うけれど
ジャック・ブレル の「泣く友を見る」古賀力さん訳詞を知り

とても惹かれた一節「ユダヤである勇気も、二グロであるエレガンスさえ持ち合わせていない」がある。
私は日本人で、ユダヤでも二グロでも無く、当事者じゃなければ決して痛みを共有出来ないかもしれない、
でも想像の世界に旅することは可能で
そのセンサーを働かせるのが私たち表現者の役目だ
そして自分なりに咀嚼して伝えていくことを怠らないが使命だと。


Rap(ラップ)の分野に居るアーティスト、「なのるなもない」(降神)さんと
彼の自宅でタイニーディスクコンサートみたいに音を撮りyoutube動画にアップされた
スピード感と家内手作り感が今なのですよね

HIP-HOPとシャンソン、きっと水と油のような関係、(特に日本ではね)
なぜか私はどちらにも首を突っ込んでてそんな不思議な立ち位置に居るおかげで
時代を超えた創造者のデータを若い世代に受け継いで欲しい、と
「寺子屋」思想はこんなとこにも顔を出してきたわけです
ジャック・ブレルというベルギーのシンガーソングライター
この曲、「泣く友を見る」をなのるさんに歌ってもらいたくて
オファーしてたら彼もヤル気を出して意訳の詩を作ってくれました

フランス語を勉強し出して音楽における詩の占める役割が随分変わりました
ジャズも本来原初は社会に対する反骨やリベラリズムも多分に含んで居たはず
戦争じゃなく分断ではなく愛の力で
あらゆる国の人々がデータを分かち合い共存したい、をモットーに。

制作してて気がついたんですがジャック・ブレルを「やってる感」、出すともう嫌味に聞こえて
「弾いてます感」も鼻につく、ギリギリのラインが難関でした
私と言う個、ではなくおっきな社会の歯車の一つとして次にバトンを渡す、が命題。
なんだか誰もやってない動画が生まれた気がします
2021年の5月某日

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?