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お茶のお稽古の準備 その3



お稽古の準備についてもう少しお話しましょう。




お茶、お菓子、と終えたら次は煙草盆です。




煙草盆(たばこぼん)というのは文字通り煙草を吸うための一式が入ったものです。《盆》と言いますが、実際は箱のような感じです。お茶を一服、併せて煙草も一服して休憩……と想像してしまいますが、ワタシ自身はこの煙草盆が使われているのを見たことがないのです。そのため、ワタシにとってはやはり時代劇の中で煙管をぽん!と打つシーンでの小道具、というイメージです。




とはいえ、この煙草盆、ちゃんと使える状態にして置いてあるものなので、煙草の火がつけられるように火入れの中には火種として切炭(きりずみ)が入っていて、手をかざすともわっと暖かいのです。




この火種の炭は灰の山のてっぺんに置かれ、その山は富士山のような形をしている、というのがあるべき姿なのです。そのため、まずは灰の山をお箸でかき混ぜて空気を入れます。そして切炭をそっと中央に。次に竹製のヘラで灰を周囲に向かって斜面ができるように押してカタチを作り、それから鉤針(かぎばり)のお尻のような感じの細い棒で線をぐるりと一周つけていくのです。




中央がずれないように少し息をとめて。一緒に準備をしている友人と少し喋ることもありますが、ときには息も止めながら。これも横で見ているとなんてことなさそうに見えるのですが、やってみるとなかなか難しく。




富士山のような山なりの斜面を頂き中央に向かって押しているはずが、途中から少しずつズレて行ったりするのです。「やってるうちにできるようになるから」と言われて、本当にそんな日が来るんだろうかと思っていましたが、何年もかかりながら少しずつできるようになっていきました。




その間にお花屋さんが来られたらお代をお支払いして。そうこうしていると着物姿の先生が来られ、改めてお稽古始めのご挨拶をしてお稽古が始まる、というわけです。《そうこうしていると》と言っても、先生は10分くらいで着物を着てしまわれるので、準備に悠長に時間をかけているわけにもいきません。《丁寧に》《さっさと》、そんな感じでした。




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☆見出しの写真は、みんなのフォトギャラリーからお借りしました。
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