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第6回 知財若手の会 ~若手で学ぶ判例~を終えて(9/29 21:00~23:00)

※本記事はLeXi/Ventブログの再掲です。
作成者:あや

はじめに

こんにちは。知財若手の会の運営です。
9月29日(金)に知財若手の会の第6回のイベント(若手で学ぶ判例)を開催しました。イベントの振り返りと今後の活動についてお話しします。

知財若手の会は「若手」で語る知財をコンセプトとして活動しており、イベントを中心に若手同士で語る・発信できる場を提供することが目的です。詳しくは以下の記事をご覧ください。


第6回 知財若手の会について

今回は中村合同特許法律事務所パートナー弁護士・弁理士の高石秀樹先生をゲストとしてお招きし、オンライン(パテサロスペース)での開催となりました。

前半は高石先生流の「判例の読み方」若手に知ってほしい「新規性・進歩性・サポート要件」の判例というテーマで高石先生にご講演いただき、若手から高石先生への質問・高石先生から若手への逆質問の時間を設け、後半はグループに分かれて交流会を行いました。


プログラム紹介

  • 開会挨拶(10分)

  • 高石先生ご登壇(30分)
    高石先生流「判例の読み方」
    若手に知ってほしい「新規性・進歩性・サポート要件」の判例

  • 若手からの質問・高石先生からの逆質問(40分)

  • 交流会(40分)

  • 閉会挨拶(5分)


高石先生流「判例の読み方」、若手に知ってほしい「新規性・進歩性・サポート要件」の判例について

初めに、高石先生が普段判例をどのように読んでいるか解説いただきました。
具体的な事例や解説内容についてはイベントにご参加いただいた若手限定となりますので掲載は割愛させていただきますが、以下のポイントを伺いました。

  • 判例を読む際には、引用部分を除き判旨を読む

  • 裁判長ごとに考え方が異なるため、どの裁判長の判決であるかに着目する

  • 過去の判例の論点を参考にし、実事例においてどのように主張すべきかを考える

  • 類似・並行している侵害訴訟や無効審判を確認し、審決の状況をチェックする

  • 判決の論点が新しいのか、従来どおりなのか、最近の判決の中でどのような位置づけなのかを考えながら読む

判例での学びを実務にどのように活かすかを中心にお話しいただきましたが、読み方のポイントや考え方がとても分かりやすく、判例を読む際に実践されたくなった方も多かったのではないかと思います。
高石先生の個人HPX(Twitter)AmebaブログYouTubeチャンネル、出版されている書籍論点別 特許裁判例事典 第三版でも詳しい判例の解説を知ることができますので、是非ご覧ください。


若手からの質問・高石先生からの逆質問

高石先生からご講演いただいた後、若手から高石先生へ質問をさせていただきました。
参加申込時に事前にいただいた質問を含めて10個ほどの質問がありましたが、一部を抜粋して掲載させていただきます。

Q.判例を要約で読むことの弊害や、注意するポイントはあるか?
A.判例は全文ではなく要約でも良い。深く読み込むより広く知った方が良く、実事案に当たった際に全文を確認すれば良い。

Q.判例を読む際にはどのような優先順位で読んだ方が良いか?
A.一般的には皆が読んでいるような重要判決から読むことが望ましい。

Q.米国の判決についても要旨を把握するだけで良いか?
A.米国の重要な判決については誰かが日本語で要約するため、それを見れば良い。

Q.技術分野によって、同じ裁判長でも判断基準が異なることがあるか?
A.裁判長の考えは短期的には変わらない。技術分野によって当てはめが変わることはあるものの、基準自体は変わらない。

質疑応答後には高石先生から若手へ「今の若手は上昇志向があるか、もしくはワークライフバランスを重視しているか」、「仕事以外で若手は時間をどのように使っているか」のテーマで逆質問がありました。
こちらも回答が複数挙がり、仕事や勉強、趣味や子育てといったチザワカ世代ならではの話題で盛り上がりました。


交流会

後半は3グループに分かれてテーマフリーで交流会を行いました。高石先生も各グループを少しずつ回っていただき、若手との交流の時間をいただきました。

私が参加したグループでは高石先生にご講演いただいた内容について意見交換を行ったり、普段の業務や近況について話すなど、話題は多岐に渡りとても盛り上がりました。
イベント終了後も残ってお話しされている方も複数見受けられ、若手同士の交流を楽しんでいただいた方が多かったのではないかと思います。


おわりに

今回のイベントは平日開催でしたが、たくさんの方々にご参加いただきました。金曜の夜には飲み会をしている人が多いにも関わらず、勉強会に参加している人は成功する可能性が高い!と高石先生からもお褒めの言葉がありました。
貴重なお時間を割いて知財若手の会のイベントにご参加いただき、運営からも感謝申し上げます!
イベントでは当初想定していた時間をオーバーするほど多くの質疑応答が行われ、ご参加いただいた方々の意欲の高さが伺えました。

高石先生も、お忙しい中知財若手の会でのご講演ありがとうございました。特に判例の紹介ではテクニカルな部分まで詳細かつ丁寧にご説明いただき、非常に濃い時間となりました。
普段判例を読む機会がある若手にとっても、そうでない若手にとっても非常に有意義な時間になったことと思います。
また是非ご講演や意見交換いただく機会を設けさせていただければ幸いです。


第7回 知財若手の会の予告

次回の知財若手の会について、12月にオフラインイベント(オフ会)を東京で開催予定です。
詳細については別途connpassやX(Twitter)で告知いたしますので、ご期待ください。

今後とも知財若手の会をよろしくお願いいたします。

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