【知財塾】中間応答(機械)ゼミの感想
1.自己紹介
私は研究関連機関の知財部に弁理士として配属されており、いわゆる企業内弁理士としてお仕事をしております。業務内容は、出願、契約、知財管理、ベンチャー支援などの幅広い業務を担当しています。知財に係る実務経験としては、1年半程度であるため、初心者になります。
なお、知財塾では主に知財に関する初期教育をすることを目的としており、私自信も初心者であることから、本原稿は、知財関連業務に関して初心者または未経験の方が参考になることを意識して作成しておりますので、その旨事前にご承知おきください。
2.受講の動機
私は業務を幅広くを担当しているがゆえに、いずれの業務も浅い知識しかないという現状に焦りを感じていました…。とくに、出願業務を担当しているときに、特許事務所から納品された明細書について、何をどこまで確認すべきか分からない現状に苦慮しており、本当に良い明細書が作成出来ているのか、常に不安が付きまとっていました。そこで、上司に悩みを打ち明けたところ、「君はやみくもにシャドーボクシングをしている状態。まずは中間処理を経験するのが良いのではないか。」とアドバイスいただきました。
当時はその意味がよくわかりませんでしたが、ひとまず中間処理に触れられる機会はないかと探していたときに、知財塾様が主催する中間応答(機械)ゼミ(以下、「本研修」という。)を見つけ、わらにもすがる思いで受講を決めました。
3.講習で学んだこと、身についたスキル
一番学べたことは、中間処理における基本的な考え方が身についたことです。講義では、審査基準の基礎的な内容の解説、拒絶理由通知書の読み方やその妥当性の検討、中間応答の仕方など、中間処理における業務について、基本的な事項を網羅的に学べました。
実際の研修においては、坂田先生が私の回答案だけでなく、ほかの受講生の回答案も確認および丁寧にご指導いただいたことが大変良かったです。とくに、他の受講者の回答案や受け答えなどを聞くことで、色々な気づきがあり、大変参考になりました。
さらに、坂田先生は、受講生のリアクションを観察しつつ、受講生がきちんと理解しているかどうかを確認しながら、受講生のレベルに応じたアドバイスを丁寧に繰り返しお話いただいたのがとても良かったです!私のような理解の悪い受講生が置いてけぼりにならないですし、気兼ねなく皆が意見交換できるように配慮してもらえたと思います!
4.スキルが実務で活きたこと
スキルが実務で活きたことは、中間処理だけでなく、全体の業務に波及しました!!!具体的には、主に以下の3つとなります。
①特許調査業務
特許調査業務とは、先行技術調査を行うことで、発明相談があった案件の特許性の判断を行うために行う業務になります。恥ずかしながら、これまでの私の特許調査業務では、技術内容的に近い文献を探して、それらを本願発明と対比して、”なんとなく”特許性の判断をしていたように思います。
しかし、本研修を受講したことで、先行技術調査結果の文献によって、審査官はどういう考えでどういうアクションをとってくるか、それに対して私はこたえうるか、といったことを調査段階で頭の中でシミュレーションできるようになりました。これにより、自信をもって社内で特許性の判断について、ロジカルに説明できるようになりました!また、明らかに特許性がない案件を早く仕分けできるようになり業務効率化も達成できました!
②明細書確認業務
明細書確認業務とは、特許事務所から納品された明細書を確認する業務になります。これまでの私の明細書確認業務では、既に記載のとおり、明細書のどこをどのように確認すべきか分からず、なんとなく沢山の段落が記載されていれば大丈夫かなというレベルでした。
しかし、本研修を受講したことで、審査官からの拒絶理由通知があった際に、納品された明細書の記載内容で、補正しろは十分あるのか、といったことを考えて、明細書確認の濃淡をつけるべきだと気づきました!それに気づけただけでも、今まで出来上がった明細書の確認の程度が段違いに変わりましたね!
③中間処理業務
中間処理業務とは、まさに本研修が直結する業務になりますが、実は今まで中間処理業務は1件も担当させてもらえませんでした。しかし、私が四苦八苦しながら本研修を受講している姿を上司がみてか、研修後に初の中間処理案件を私に担当させて貰えました!(といっても、いきなり米国案件でしたが(笑))
いずれにしても、自分が変われば、周りも変わるんだなぁ…と本当に研修を受講して良かったと思ってます!また、今回の研修が活用できたことは言うまでもありません!
5.全体的な感想
本研修は、私のような初心者にとっては、大変しんどいものでしたし、今思えば恥ずかしい質問も沢山していた気がします。(怖くて動画が見返せません!(笑))
ですが、知財部に配属して1年半程度、ずーっと悩んできたことが、たった1つの本研修を受講するだけで、急転しだすとは、さすがにここまで期待していませんでしたし、本当に受講して良かったと心から思います!
研修後も、本研修で学んだことを礎にして、J-platpat等を活用した自習が可能です。私自身、一人で継続的に模擬練習をしています。本研修さえ受講すれば、継続的に自身の技術を研鑽することが可能になりますので、初学者の方にとって大変身になる講習になるかと思います!
なお、本研修は、専門的内容でかつ質の良い研修であるにも関わらず、低料金体系となっております。このような研修を企画している知財塾様には色々ご苦労があると思いますし、一流の坂田先生にも講師をしていただき、本当に感謝しております。こういった研修を無理のない範囲で継続いただき、弁理士全体のレベルの底上げを図ってほしいと思います。
6.あとがき
上司にアドバイスしてもらったことが研修を終えて初めて理解できました。今まで私はボクシングの対戦相手(審査官)を一切見ずに、ひとりで変なフォームでパンチを繰り出し、まさにシャドーボクシングを一人でしていたように思います。
しかし、素晴らしいトレーナー(坂田先生)が、ボクシングの相手の戦略や考え方(審査基準等)を教えていただくとともに、どんなふうにパンチを出せば(中間応答の仕方)、相手に勝てるのか(特許査定)について、丁寧に教えていただきました!
おぼろげながら明細書というリングの広さ、審査官との戦い方が分かるようになりましたので、これからは、ご指導いただいた内容をベースに、J-platpat等で自習を継続しつつ、実戦を繰り返しながら、立派な弁理士を目指したいと思います!
大変お世話になりました!!!
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