明細書作成(IT・電気)ゼミの感想
1.自己紹介
令和2年度の弁理士試験に合格してから、未経験で知財業界に飛び込んできました。現在は、機械系の特許事務所にて国内外の出願権利化業務に携わっています。
2.受講の動機
ゲームやITサービスの権利化に興味があり、IT系の実務ってどんな感じなんだろう?と気になったのが受講のきっかけです。
書籍やセミナー等で一方向的に実務を勉強することはできますが、自分の性格上、それでわかった気になって自己満足で終わってしまうような気がしていました。
そんな中、知財塾の明細書作成ゼミの存在を知りました。ただ座って講義を聞くだけでなく、実際に手を動かし、それに対しフィードバックを得ながら実務を学べることに魅力を感じ、受講を決めました。
3.本ゼミの内容
5つの事例問題について、発明提案書に基づいて明細書を書き上げるという内容でした。とはいっても、いきなり明細書を書くというわけではなく、用意されたステップに沿って段々と明細書を完成させていきます。
事例はVRガジェット、スマホアプリ、ゲームなどで、幅広くバラエティ豊かな題材に触れることができました。
週に1回、zoomを使用したフィードバック会がありました。ここでは、受講生が事前に作成した成果物について発表し、ファシリテーターからフィードバックを受けます。
成果物を画面共有しながら口頭で発表&フィードバックを行うのですが、リアルタイムで修正点のアドバイスを受けたり、疑問点を解消できたりするので、毎週とても密度の濃い時間を過ごすことができました。
成果物を仕上げた分だけフィードバックを受けられるので、ゼミの受講期間中は、仕事終わりに必死で宿題に取り組んでいました笑
また、フィードバック会では他の受講者の発表&フィードバックを見ることもできるため、自分ひとりで進めていたときには気づかなかった視点に触れることができます。実務では一つの事例を複数の人で検討することはなかったので、同じ事例に対する他受講生の考え方を知るのはとても刺激になりました。
4.本ゼミならではの特徴
明細書作成の初学者にありがちな失敗として、発明の内容を十分に整理できていないまま明細書作成に取り掛かった結果、記載がとても薄くなってしまったり、手戻りが頻繁に発生してしまったりということがあります(体験談です)。
これに対し、本ゼミでは、明細書を書き始める前に、ファシリテーターの大瀬弁理士が独自に作成したフレームワークシートに発明の内容をまとめる作業を行います。
これにより、発明がどのような仕組みになっているのか、データのやりとりをどのように行っているのかなど、発明の構造を可視化することができます。このワークシートの存在が初学者にとってとてもありがたく、発明の内容理解が不十分なまま明細書作成に突入することを防止することができました。
結果的に、IT系の明細書に触れたことがない自分でも、このワークシートを活用することで、明細書の作成を非常にスムーズに行うことができました。
5.実務で活きたこと
本ゼミで学んだ明細書の作成ステップは、IT系以外にも応用できるため、日頃の機械系の実務でも非常に参考になっています。
特に、フレームワークシートを用いて発明の内容を可視化する手法は、明細書作成の手戻りをなくすのにとても役立っています。
今までは、明細書を書き始めてから「あーでもない、こーでもない」と明細書や図面をいじくり回していましたが、本ゼミを受講してからは、明細書の作成スピードを上げることができたように思います。
6.おわりに
初めて知財塾のゼミを受講しましたが、本ゼミは、第一線で活躍される弁理士から、特許実務の基本である明細書作成を学ぶことができる貴重な機会でした。
特に私はリアルタイムの受講を選択したため、自分とファシリテーターが1対1でやりとりできる時間をたっぷり頂きました。このおかげで、一人で学ぶ場合と比べ、明細書作成実務に対する理解度が大幅に向上したと思っています。
リアルタイム受講コースは、期日までに成果物を仕上げるのはしんどいですが、それに見合った学びを得ることができると思います。リアルタイムと自主演習とで迷っている方は、スケジュールが許せば、ぜひリアルタイム受講コースを選択されることをオススメします!
以上、私が明細書作成(IT・電気)ゼミを受講した感想でした。知財塾のゼミが気になった皆さまの参考になれば幸いです。
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