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キラキラ、のおまじない

小川糸さんの『キラキラ共和国』を読み終えた。前作『ツバキ文具店』の続きで、文具屋兼代書屋であるツバキ文具店を営む雨宮鳩子が、手紙を通して鎌倉の人々と心を通わせていく様子を描いている作品です。

鎌倉という土地の穏やかな時間が四季を通して感じられ、自然や食べ物の描写が素朴で神秘的だった。これを読んだ人はきっと鎌倉に行きたくなると思う。私もいつか作品に登場した場所に訪れてみたい。

前作も好きだけど、今作はずっと心に留めておきたいおまじないを教えてくれた。

目を閉じて、キラキラ、キラキラと心の中で唱えるだけで、心の暗闇に星が現れて明るくなる。

空を見上げると、キラキラと星が輝いている。真昼の、目に見えない星たちが輝いている。
キラキラ、キラキラ。
私たちはいつだって美しい光に包まれている。だからきっと大丈夫。
私たちにはキラキラがある。
『キラキラ共和国』より、一部改

隣人のバーバラ婦人が教えてくれたおまじない。
静かだけど温かくて前向きな、不思議な言葉だ。

キラキラはだれにでもある。鳩子にとってそれは、先代であり、みゆきさんであり、ミツローさん、そしてはるちゃんだ。

気づいていなかっただけで、私の周りにもキラキラがあったんだな。

きっとこのキラキラを心の中に大切にして生きていけると思う。そんな気づきと勇気をくれた作品でした。おすすめです。

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