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お母さんの嫁入り道具

ダイニングチェアを修復してもらった。

表面の素材が布製だったため、背もたれが手垢で真っ黒に黒ずんだり、食べ物や飲み物のシミが至る所に染みついていた。何しろ母の嫁入り道具であるため、私が生まれる前から使っていたものだ。

今日、表面の布を新しく張り替えてもらった。表面の素材をビニル製にしてもらい、汚れがついてもふき取りやすくなった。数年前から違う椅子を使っていたが、今このタイミングで引っ張り出してきたことにも意味があるんだろうな。

「日の目をみることになってよかった。嫁入り道具だからね」

母は嬉しそうだった。

お嫁に行くときに持ってきた道具という思い入れがあるのっていいな。嫁入り道具という文化は、今もちゃんと残っているのかなとふと思った。


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