私のガラケーの最期
ドリンクバー付きのランチの後、会計を済ませて出ると、先に会計を済ませた人が、出口近くにある自販機で、コーヒーを買って飲んでいた。
不思議に思って、どうしたのか聞いてみると、「いや、100円ぐらいだし」という答えに、ああ、この人はお金貯まらないなと思ったことがある。
これが、「ドリンバーのコーヒーもいいんだけど、最後はどうしてもこれなんだよね!」などなら、納得できるけど、この人はお金をナメてるだけだと思った。
食品の10円の値上げにはものすごく怒るのに、一方で平然とこんな金銭感覚の人間の多いこと。。
「お金を軽んじていると、寄り付かなくなる。それどころか、お金が原因で不幸になる。大切にして、褒めてくれる人のところに、お金は福の神を連れてやってくる。本当にお金を大切にする人には、お金が幸福のための味方になってくれる。お金のために振り回され、金に制限される人生にならない。」
「お金を褒めると、増える。どんなに怖い顔で『節約!』と締め上げても、お金は脅えてコソコソ逃げていってしまう。人がどうやったら一番消耗するかというと、何でも嫌々、やりたくないなあと思いながら、しぶしぶ行うこと。
大切なのは、自分の価値観に基づいた、自分にとって意味のある支出を心がけること。
人生は一度きりなのだから、決して悔いを残さないように、できるだけ、若くて体が元気なうちに、自分のやりたいことを、その時できることをしておかないと、取り返しのつかないことになる。
いつも羊のように群れをなして行動し、周囲がどうしているか気にしてばかりでは、先が見えない不安にかられ、闇雲に貯蓄にまい進して、それでも不安が消えることはないだろう。」
そんな内容を聞いたことがあるけど、私もその通りだと思う。
家計簿…10年の継続で大きく変わる。早ければ早いほど、人生を有意義に過ごせる実力になる。
お金もモノも時間も、その大小によらず、大切にしようと思うようになる。
私は、スマホを持ったのは2年半前。結構遅い方だと思う。
2年半前、長く使っていた私のガラケーが、画面が真っ暗になって、とうとう使えなくなった。
画面が何も見えないので、操作のしようもなかったけど、それでも勘でいじってたら、なんと子どもが大好きな、担任の先生からの留守録を、最後に聞かせてくれた。
前に、子どもが体育の時間に頭をぶつけて、小さなたんこぶになっているという、先生からの連絡をとってあって、子どもは静かに涙を流しながら、最後にもう一度、先生の声を聞くことができた。
ネット上にもない、世界中でこのガラケーだけが持っている、貴重な録音…
その後、auに向かって歩いている途中、静かに息を引き取るように、かばんの中から、充電が切れて終わった音が聞こえた。
私もこんな最期だったらいいな、と思うような、えらいえらいガラケーだった。
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