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祖母から娘へ〜本当に伝えたい美しさ〜

「伝えたい美しいさ」

私の娘はどちらかというとかなりの「おばあちゃん好き」。私が敬遠してきた母の着物も、ありがたい事に娘はとても喜んで着てくれるとても純粋で素朴な娘です。

そんな娘へのささやかな感謝を込めて、今日は娘が私の母の着物を着てくれた時の様子を紹介します。

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この着物は、母が若い頃に通っていた茶道教室のお稽古の際に着たという小紋。

母は自身の母親を小学生の頃に亡くし、こうした着物は全て父親が誂えてくれたそうで、色々な意味で母にとっては思い出深い着物と聞き私は育ちました。

母はこうした着物をずっと私のために残してくれていました。ですが私はなぜか着物に馴染めず、こんなに素敵な着物も箪笥の中で長い間眠ったまま。補足すると、母はものの取り扱い方がとても丁寧で、どんな小さなものでも綺麗に保管をする事を大事にしている女性。大切な思い出の着物となれば、とりわけ美しいまま風合いも衰えることなく、色鮮やかに保管をしていたのです。

そんなある日、娘が「ばあばの着物」を着てみたい言ってくれて、早速母から着物を借りて美容院に向かった娘。

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着付けが出来上がると、私の職場がある東京駅までお茶を飲みに来てくれました。

水色の生地に可愛らしい白菊や桜の花々が、お着物全体に広がり若々しい印象です。

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帯はえんじ色に活け花のような白い花が設えられ、控えめなデザイン。

撫で肩の娘はとても似合っていたのは勿論でしたが、今回のことを通して母が私に無言で教えてくれたことは、着物を美しく着ること以上に、モノを大切にする心でした。

気丈な母は高校時代を迎えた頃、友人たちから「母親のいない子」と思われないよう毎朝制服の襟にアイロンをパリッとかけ、帰宅後もまず制服を綺麗に整えたと言います。

私はもうすぐ人生の折り返しを迎える年齢ですが、、今からでもそんな母の心を見習って生きていきたいと思います。



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