[コラム] 物語のカバーについて考える:これはカバーだと思える作品をピックアップ
椎名ピザさんが面白い企画をしています。
参加者の作品をカバーしてみよう、というものです。
※2024/1/31まで
私もひとつ書かせてもらったんだけど、小説(物語)のカバーって何だろう??って考えるのもとても楽しかったです。
というわけで、この記事では、私が勝手にこれはカバーなのでは?と思うやつをピックアップしてみたいと思います。
カバーって、二次作とも微妙に違う、単純な小説の映像化とも違う、リメイクともまた違う…。
特に明確な基準がないので「これがカバー」だというのはそれぞれの解釈でよくて、これはあくまで私の勝手なピックアップです。
◎ロミオとジュリエット
原作:ウィリアム・シェイクスピアによる戯曲
カバー:ディカプリオ主演の『ロミオ&ジュリエット』
ロミオとジュリエットなんて、何度も舞台が演じられて映画化もしている古典ですが、カバーというと、ディカプリオ主演のこれかなって思います。
物語をそのままやるんじゃなくて、時代を現代にしてるところがカバーだなって思います。
◎竹取物語
原作:作者不明。現存する日本最古の物語
カバー:高畑勲監督の『かぐや姫の物語』
こちらも絵本になり小説になり映画になり、演じられてきたお話だけど、カバーと言ったら私はこれを挙げたいです。
現代的な解釈を含めた『竹取物語』としてはぶっ飛び度合いでも群を抜いているのでは…。
かぐや姫が月に帰るシーンで私は失神しそうになりました。
まだ見てない人はぜひ見てほしいのです。
おとぎ話を現代の解釈で小説や映画にするのはよくやられているカバーだなって思います。
◎12モンキーズ
原作:ブルース・ウィリス主演の映画
カバー:テレビドラマシリーズの『12モンキーズ』
ブラッド・ピットの演技がすばらしいこの映画。20年後にテレビドラマ化しました。
このタイプのお話の場合、内容を知ってると楽しめるのかな…と思ったんだけども、このドラマ、原作を超えたのではと思えるほど面白かったです。
映画とだいたい同じ展開で始まるんだけど、どんどん別物になっていく…。
けど、でも『12モンキーズ』なんですよね。
このくらい大胆にアレンジを加えるのもありかなって思います。
◎リング
原作:鈴木光司 著の小説
カバー:ハリウッド版『ザ・リング』
来る~きっと来る~。
各国の物語をハリウッド版にするというのもカバーの一種かなって思います。
なんか成功する例は少ない気もしますけど…。
もしも、このハリウッド版は大成功!!というのがあったら教えてください。
※疎くてすみません。。
◎十二人の怒れる男
原作:アメリカのテレビドラマ(1954年)
カバー:三谷幸喜監督の『12人の優しい日本人』
父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、陪審員が結論を出すまでの答弁が描かれます。
これを見事にカバーしたのが、三谷幸喜監督の『12人の優しい日本人』です。
まだ日本に陪審員制度がないころで、もしも日本に陪審員制度があったらどうなるか…という想定で話が進みます。
どちらも会話で真相に迫ろうとするんだけど、文化が違うとこんなに違う…みたいなところも面白いと思います。
まさにカバーって感じ。
◎『デスペレーション』と『レギュレイターズ』
どちらもスティーヴン・キングの作品です。
『レギュレイターズ』の方はキングの別名 リチャード・バックマン名義で出されました。
キングは最初、正体を隠してこの別名を使っていたのですが、バレちゃいました。『レギュレイターズ』はバレちゃった後に書かれたもので、おもしろい仕掛けがあります。
『デスペレーション』と『レギュレイターズ』は対になっていて、面白い形のセルフカバーって言えるんじゃないかなって思います。
ネタバレになっちゃうので詳しくは言えないのですが、順番的には『デスペレーション』を読んで間髪入れずに『レギュレイターズ』を読むのがおススメです。
ぬぁああにぃぃいいーーー!!! ってなります。
ちなみに、死ぬほどグロいので苦手な人にはおススメできません。
こういうのやってみたいなと憧れます。
こんな感じかな…。
時代設定を変える、現代的解釈で構成する、元のストーリーに沿いつつも大胆にアレンジする、異なる文化・言語圏でのお話に変換する、元のお話と対になるような構造にする…。
あとは、時代劇をSFにするとか、ジャンルを変える方法もあるかと思います。なんかパッと思い浮かばなかったけど。
他にも探すといろいろなパターンがありそうです。これ以外のパターンでこんなのあるよーというのがあったらぜひ教えてください~。
私は観たり読んでるものがだいぶ偏ってるので幅広く知らないもので…。
それでは、みなさんもレッツカバー!
私ももうちょっと書いてみたいと思います~。
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