見出し画像

[コラム] 全てのパンクスに捧ぐ:いろんなパンク大特集

私は音楽だったらわりと何でも聞く方ですが、その中でも特にロックが好きです。

で、無性にパンクを浴びたくなるときがある。

パンク・ロックというのは、70年代くらいに発生したロックの中のひとつのスタイルです。

で、そのスタイルからファッションとかアートとかいろいろな方面に魂が広がりました。
“パンク” って、音楽のジャンルだけじゃなくて、いろんなものがあるんですよね。

そんなわけで、今日は音楽に限らない “パンク” を一方的に紹介したいと思います。

手広くやるとすごい情報量になっちゃいそうなので、私の好きなやつを中心に紹介したいと思います。


パンク魂とは

“パンク” ってひとつの思想とか生き方として捉えられると思います。
この記事では音楽のジャンルを飛び出した “パンク” もいくつか紹介したいので、その辺の考え方をまずはご紹介したいと思います。

“パンク” というカルチャーは “パンク・ロック” から派生したものなんだけど、定義はいろいろあって明確に “これ” というのはないのです。
おおまかに言うと、次のような感じです。

  • 個人の自由を重視する

  • 不服従、反体制、反人種差別、反ファシズム、反資本主義、戦争反対などの思想を持っている

  • ニヒリズム(この世界に未来はない的な)

  • DIY主義

ヒッピーや平和主義者と違うところは、とにかくパンクスは怒っている。
この世の不平等にイカッてる。そして行動するのです。

なんかちょっと勘違いでネオナチっぽいのもいたりとかするけど、それはパンクじゃねぇってことになっている(と思う)。

ちなみに、“パンク” とは元々は「不良」とかいう意味でした。


パンク・ファッション

パンクって音楽の他にもその独特な見た目も印象的ですね。

トサカみたいにツンツンしたド派手なカラーの髪の毛とか、ビリビリに破れた服に安全ピン刺したり、缶バッチいっぱいつけたり、服もトゲトゲしていたり、ホラーっぽいメイク、顔中ピアスとかタトゥーとか。

こういうファッションが広まったのには、ロンドンにあった “SEX” というブティックが大きく関わっています。

この店で扱っていたのは、ヴィヴィアン・ウエストウッドという人のブランドでした。
彼女こそがパンクの女王、パンク・ファッションを世に広めた張本人なのです。

そんで、“SEX” の経営者であった、マルコム・マクラーレンが、店に出入りしていた不良少年を集めてバンドを結成させました。

その不良少年というのが…スティーヴ・ジョーンズポール・クック。そう、“セックス・ピストルズ” のギターとドラムだった…というわけです。
ここにボーカルのジョニー・ロットンを加えてデビューし、“セックス・ピストルズ” はカルト的人気を誇るパンクバンドの代名詞となっていきました。

こうして、彼らが着ていたヴィヴィアン・ウエストウッドの衣装と共にパンク・ファッションも世に知られていき、ひとつのジャンルとして確立し、今に至ります。

もっと詳しく…という方にはこちらの記事をおススメします。


現代でもパンクっぽいファッションのブランドなどはたくさんありますが、私はこちらのブランドを推したいと思います。
長年の友人が手掛けるブランドなのですが、その名も『パンクドランカーズ』と言います。

芸人さんとかバンドのメンバーとかが着ていたりするので見たことある人もいるかも。

ザ・パンクスというよりは、ストリート系のファッションですが、結構攻めている洋服やグッズもあります
さりげなく面白いポイントがあったりして、身に着けているだけで友だち増えます。

「何それーwww」ってなるので☆


パンク・アート

上記のパンクドランカーズのように、パンクから派生したアートもこの世に多く存在します。

パンク・アートというと、セックス・ピストルズのアルバムジャケットのような、主張強めのコラージュとかステンシルとかパンクぽいアートだなって思います。

バンクシーなどは、活動内容も含めてパンクだなって思います。

日本でパンクなアートと言うと、私は Chim↑Pom を思い浮かべます。

パンクだなーと思う日本の芸人

https://www.titan-net.co.jp/talent/bakushomondai/



パンクな詩人

パンク・ロックの楽曲の歌詞はもれなくパンクなわけで、パンクな詩人としては、それらの作詞をする人がよく挙げられます。

ミュージシャンじゃないパンクな詩人っつったら誰かな…と考えたのですが、あまり詩人を知らないので、わかりませんでした…。
おススメの詩人がいましたら教えてください~。

私的には種田山頭火はかなりパンクだなーとか思います。



サイバーパンク

サイバーパンクぽい東京の風景

文学の世界でパンクと言ったらまず思い浮かぶのはこれです。
サイバーパンクはSFの中のひとつのジャンルです。

ファッションとしてのサイバーパンクは、蛍光色を使ったテロテロの素材の服とか、肉体改造をしたり、機械と融合したり、従来のパンクファッションに未来ぽさを合体させたりといった感じです。
ブラックライトで光る感じもサイバーパンクぽい。

語源は80年代にハッカーについて描かれた小説のタイトルです。

このころ、SF界に新しいムーブメントが起こっていて、デストピア的な舞台設定の中で、電脳世界(仮想現実)の存在とか、人体改造で機械と融合した人間だとかが出て来て、心理的な描写が多く、反体制的な思想が反映したような内容のSFが出現しはじめていました。

これらは従来のSFのカウンターとして扱われて、ゆえにパンクなのでした。

代表的な作品としては以下が挙げられます。
おすすめいっぱいありますが、厳選して…。


ニューロマンサー

インターネットが一般的でない時代に電脳世界(仮想現実)を描いていて、当時の言語でネットワーク世界やハッキングについて書かれているので、かなりの難読書です。

これを読むと私は「竹取物語」を思い出します。UFOを知らない人が、UFOを語ろうとしたらこうなっちゃうのかな…みたな。

『ニューロマンサー』は後のサイバーパンクに多大な影響を与えていて、日本っぽいネオンの街並みとか、黒髪おかっぱの強い女性とか、ピカレスク(悪漢小説)的要素とか、我々がサイバーパンクと感じるものがギュッと詰まっているのだ。


アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

これはもう説明するまでもないか…。『ブレードランナー』です。
レプリカントと呼ばれるアンドロイドが心を持ってしまうとどうなるか…みたいな世界。

現代SFでもアンドロイドやAIがテーマの物語は大量にあるけど、それのパイオニア的なお話。


オルタード・カーボン

原作は『タケシ・コヴァッチ』シリーズだけど、ドラマはだいぶオリジナルっぽい。

未来の世界。人間はチップの中に自分の精神をバックアップしていて、肉体はスリーヴと呼ばれ入れ替え自由になっている。


攻殻機動隊

未来の日本が舞台。
脳の神経にデバイスを直接接続して電脳化や義手・義足の技術が発展してる世界。
前述の『ニューロマンサー』の影響が見られます。

実は私、『攻殻機動隊』はあんまり見ていないのです…。
世界観はだいたいわかっていて、実写映画も見たんですけどね。


マトリックス

ウォシャウスキー姉妹は最初『ニューロマンサー』を映画化したかったけどスポンサーが付かず、『攻殻機動隊』に着想を得る形で『マトリックス』を生み出しました

この世はシミュレーテッド・リアリティであるというテーマに正面から突っ込んでいく物語。

最初のやつを映画館で見た時、鳥肌立ちまくりでした。
だって、これはまさに、私が思っていた世界だったから…。

なお、脚本を書いている時にRage Against the Machine『Wake Up』をずっと聞いていたそうで。
この曲はメインテーマに使われてるし、バンド名も曲のタイトルも何もかもがまさに…という感じ。


AKIRA

言わずと知れた大友克洋の代表作。
これは私のバイブルなんです。漫画も映画もどっちも読むべし。見るべし。

少し下の世代で、『AKIRA』のアの字も知らない人がいて、私は白目になったことがあります。
いいですか、これが80年代に作られたアニメーションなんですよ。すごすぎませんか? かっこよすぎじゃないですか?

全く古く感じないところが恐ろしいです。

超能力を兵器として研究していたら東京が崩壊してしまった…というお話です。


PSYCHO-PASS

市民の心理状態や性格などを数値化し犯罪者を予備軍の段階で排除、ストレスとなりうる事象を徹底的につぶしていく、極端に偏った治安が維持された近未来日本が舞台。
そんな社会を取り締まる側の警察官が主人公として登場し、この不気味な平和の真実を暴いていくお話。

このような絶望的に狂っている世界で、それに抗って行こうとする主人公が登場するのもサイバーパンクの特徴かも。



スチームパンク

スチームパンクぽいアイテム

スチームパンクはサイバーパンクの登場後に派生したSFのもう一つのジャンルです。
こちらは、パンク要素は実はあまりありません。サイバーパンクに対してスチームパンクって感じで。

レトロフューチャー的な感じで、現実世界とはちょっと違った技術が発達した世界で、蒸気機関が主流の機械文明が描かれます。
ファンタジーとSFが合体したような世界観が特徴。

ファッションとしてのスチームパンクは19世紀のヴィクトリア朝のデザインを今風にアレンジしたものだったり、ぜんまい時計っぽいモチーフとかゴーグルとかそういうアイテムが出てきます。
ロリータファッションとも相性がよいです。
日本では、明治・大正時代の文明開化の雰囲気がスチームパンクファッションとして使われたりします。

『スチームパンク』という言葉は80年代に出て来た言葉ですが、19世紀生まれのH・G・ウエルズの『タイム・マシン』などの世界観に影響を受けたりしています。

実はスチームパンクな作品をあまり知らないのですが…私のわかる範囲のスチームパンクはこんな感じです。

大友克洋 多めで…。


メトロポリス

手塚治虫の初期の名作を大友克洋が映像化したものです。
人間とロボットが暮らす「メトロポリス」で起こる事件を描く。

AIとの共存を始めた現代に見るとまた違った視点で楽しめるかも。


スチームボーイ

世界を変えてしまう技術を巡って、事件が巻き起こる物語。
スチームパンクのお手本のような作品です。


大砲の街(MEMORIES より)

3編からなるオムニバスの中のひとつ。
大砲を撃つだけのために作られた町で暮らすある家族の一日を描く。

ほぼアナログ原画で作られていて、しかも、全編20分間ワンカットという、商業アニメでありながら芸術色強めのものすごい作品なのだ。


ムジカ・ピッコリーノ

NHKの子供むけ音楽番組なんだけど、世界観が完全にスチームパンクでかっこよいです。

失われた音楽が機械仕掛けの生き物になっていて、ムジカドクターと呼ばれるミュージシャンたちが音楽のヒントを探す旅をしている。

出演しているミュージシャンがものすごく豪華で、いろいろな名曲のカバーをやるんだけど、演奏が全部かっこよい。
私は特にこのモンキー・マジックが好き☆



サイバーでもスチームでもないパンクな物語

上記二つのSF以外でも内容的にパンクだなーって思うやつがあります。

時計じかけのオレンジ

アンソニー・バージェス原作で、キューブリックが映画化しました。

極端に管理された全体主義の社会で、暴力とセックスにあけくれる不良少年たちを描くお話。

キューブリックの映像がものすごくインパクトある作品なんだけど、原作もものすごい。
主人公の少年たちが使う独自のスラングが連発する文章なんだけど、乾信一郎氏の翻訳がまじで神翻訳なのだ。


シド・アンド・ナンシー

セックス・ピストルズのベーシストであったシド・ヴィシャスの恋人ナンシーがホテルの一室で死体となって発見された。
殺人の容疑者となったシドが、刑事に質問を受けることで彼女との成り染めを回想していく物語。

実際の事件を元にしていて、伝説のパンクロッカーが憑依したかのような演技がすごいのだ。
なお、シドが実際に犯人だったのかどうかは不可解な点も多い。

シドはナンシー死亡事件の翌年にドラッグのオーバードーズで死亡している。


ザ・シンプソンズ

めちゃくちゃな家族をコミカルに描く。
どぎつい社会風刺とか、けっこう攻めてる。



パンク・ロック

それでは最後にいくつかパンクなバンドやミュージシャンたちを紹介したいと思います。
この世には星の数ほどのバンドや曲がありますので、私がパッと思いつくやつで。

※絞るの大変なので、80年代以降のハードコアとかグランジとかメロコアぽくなっていくやつは入れないでやってみます。

Ramones

ロンドンのパンクムーブメントに多大な影響を与えたとされるニューヨーク・パンクバンドのひとつ。


Sex Pistols

上述したとおり、パンクファッションと共にパンクを世に知らしめたバンドのひとつ。
滅茶苦茶度がとにかくすごい。


The Clash

ロンドン発パンクバンドの代表格。
音楽のふり幅がすごい。

前に特集書いたのでぜひこちらも。


The Damned

こちらもロンドンパンクの代表。
ピストルズ、クラッシュ、ダムドでロンドンの三大パンク。

ダムドはちょっとバカっぽさを演じてるような感じがするかな。
ボーカルが吸血鬼っぽい格好をしたりして、ゴシックぽい要素もあるかもしれない。


Green Day

90年代を代表するアメリカのパンクバンド。
メロコアの影響も感じられるエモさもあり。


THE STALIN

遠藤ミチロウ率いる80年代結成の日本のパンクバンド。
過激なパフォーマンスもすごいのだけど曲もかっこよい。


THE BLUE HEARTS

日本にパンク・ロックを知らしめた偉大なバンドです。
私が初めて聞いたパンク・ロックはこの曲だったなー。
脳天貫かれたような気分でした。

ブルーハーツの曲は、怒りと愛が同じくらいの強さで同時に放出されてる感じします。


FRYING DUTCHMAN

2000年代のパンクバンドだったら誰を紹介しようかなーと思い、この人たちを。
京都発のバンドです。

3.11、かの原発事故が起こった後、原発や資本主義を問うメッセージ性の強い曲を各地で演奏してました。この動画の曲です。
当時、私も街の中で彼らの演奏を生で見たんですけど、心がめっちゃ揺さぶられました。
ファッションだけじゃないパンク魂がそこにありました。


Daft Punk

パンクロックではないんだけど。
このユニット名の由来はデビュー前の楽曲を「a daft punky thrash(くだらん不良のゴミ)」と酷評され、逆にそれが気にってしまってつけたそうな。

ロボットをイメージさせるテクノがサイバーパンクぽい。



なんか際限なくってきたので、今日はここまで。
ここから何か興味のある分野があったらぜひ掘って行ってみてくださいね☆

私はつかれた…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?