見出し画像

[十六夜杯] アニメで短歌

好きなアニメをテーマに短歌を詠むのにハマっている。

今回は十六夜杯ということで、月に関係するアニメから詠んでみた。


◎『犬夜叉』

原作:高橋留美子

普通の女子中学生かごめは、実家の神社の古い井戸から戦国時代にタイムスリップしてしまう。
そこで封印されていた犬夜叉を見つけて、自覚がないまま彼を解放してしまう。

そんでいろいろあって、かごめと犬夜叉は共に旅をすることとなる。

今回歌にする部分は、若干ネタバレになるんだけど、本編とは直接的に関係ない設定についてのお話なので言ってしまうよ。

犬夜叉は大妖怪である父と人間の母の間に生まれた半妖であるために、朔(新月)の夜にその妖力を失いただの人間となる。
それは彼の最大の欠点となるために、ずっとひた隠しにしてきた。
けれども、旅を共にする仲間たちには知られることとなる。

普段は銀髪&犬耳の彼も朔の夜には黒髪の普通の男の子になってしまうんだ。

そんな彼に寄り添う乙女心を詠んでみた。

我が君は妖力失せし半妖の
黒髪香る朔の夕餉かな

わがきみは ようりょくうせし はんようの
くろかみかおる さくのゆうげかな



◎『FREEDOM』

カップヌードルの広告として企画されたシリーズなんだけど、スケールがデカすぎる。
キャラクター&メカニックデザイン大友克洋で、AKIRAファンにはたまらん感じ。

23世紀、月に移住した人類。地球は滅亡したと伝えられている。
そこに誕生するのが付き生まれの健康優良不良少年タケルである。

異端児である彼はその好奇心と熱意で月と地球の秘密を暴いていく。

主題歌の『This Is Love』(宇多田ヒカル)もかっこよすぎる。

そして、この壮大な物語を背負うタケルに寄せてひとつ。

偽りの月より故郷を仰ぎ見し
念を背負いて君の走るも

いつわりの つきより こきょうを あおぎみし
ねんをせおいて きみのはしるも



◎『かぐや姫の物語』

スタジオジブリ 高畑勲 監督作品

誰もが知る竹取物語を現代的な解釈を加えつつ、水墨画が動くような美しいアニメーションで表現した作品。

最初の赤子の表現が素晴らしすぎて、まだ母になる前の私の母性本能は刺激されまくって赤子が動くのを見ているだけなのに何故か号泣してしまった記憶。

かぐや姫は罪人である…という本来の竹取物語にも存在する謎の設定に私はかねてから興味を持っていたんだけど、この映画の副題は「姫の犯した罪と罰」だった。

人の子としてこの世に生を受けたけれど、そこで待ち受ける人生の葛藤の数々。その表現が荒々しくて素晴らしい。

そして、最後の月に帰っていくシーン。
この映画が全てがこのシーンのためにあったのではないかと思えるほどに強烈なシーンなんだ。
音楽もめちゃくちゃぶっ飛んでてすごすぎるぞ久石 譲。

かぐや姫が人から天人に戻る瞬間も鳥肌たちまくりのゾッとする表現がされる。

ちょっと鼻息荒めだけど気を落ち着かせてひとつ。

竹林の命の定めに抗えど
月から来る問答無用

ちくりんの いのちのさだめに あらがえど
つきからきたる もんどうむよう



こちらの大会に参加です。

よろしくお願いします!

この記事が参加している募集

今日の短歌

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?