みたらし団子の秘密会議 上
1分小説
この物語は2章構成になっています!
第一章:不可解な注文
東京の下町にある「みたらし庵」は、みたらし団子専門の小さな和菓子屋だった。店主の田中一郎は、毎日丹精込めて団子を作っていた。ある日の午後、店の扉が開き、スーツ姿の男が現れた。
「田中さん、お願いがあります」
男は名刺を差し出し、名を佐藤と名乗った。彼は大手企業のPR部長で、新商品の発表会に使う特別なみたらし団子を作ってほしいという依頼だった。しかし、その注文内容は一郎にとって奇妙極まりないものだった。
「団子の中に小さな紙を入れてください。その紙にはそれぞれ違うメッセージを書いてほしいんです」
一郎は眉をひそめた。「それはおみくじみたいなものですか?」
「いや、違います。秘密会議のメモなんです。社員たちがランダムに選んだ団子を食べることで、次のプロジェクトに関する指示を受け取るのです」
一郎はますます困惑した。しかし、佐藤の真剣な表情を見て、引き受けることにした。
早速、一郎は特別なみたらし団子作りに取りかかった。団子の中に紙を入れるというアイデアは斬新だったが、紙が溶けずに団子の中に収まるよう工夫が必要だった。何度も試行錯誤を繰り返し、ついに成功した。
翌日、佐藤が再び店を訪れ、完成した団子を受け取った。「これは素晴らしいです、田中さん。本当にありがとうございました」
佐藤が店を出ると、一郎はふと疑問を抱いた。「一体どんな秘密会議なんだ?」
つづき
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