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見てくれ

「おちづってさ~
俺が女性を見て
うわ~綺麗な人やな~
顔小さいな~とか
そういう風にすれ違う人に対して
思ったりするのと同じように
若くてカッコええ男の人見て
うわ~って思う事ってないの?」と
帰る車の中で聞かれた。

ん~~~~~。
そんな風に思ったこと
あるっけな~~~~って
思い出そうとしたけど
思い出せない。

「そもそも若い子や
男前かどうかとか関係なく
人間の容姿に興味なさ過ぎて
動く物体にしか見えてない。」
と、答えた。

ひろしは
想像をはるかに超えた答えだと
言ってぶつぶつひとりごとを
なんか言うとった。

眼が悪いのもあるけど
この前も
スマフォをバッグみたいに
肩にぶら下げてごそごそ
してる人がおって
わたしはてっきり老女だと思いこんで

「おばあちゃんやのに、見て
あの人、最近の若い人みたいに
スマフォぶら下げて。
若いな~。」って言うたら

「おちづ、あの人
おちづより若いよ。」と。

え!!!!
だってあんな背中曲がって
腰の曲がったおばあちゃんにしか
見えんかった。

出かける前に
ひろしが
「おちづ、時計見て。
準備できてるの?」と
聞く。
聞かれるぐらい、パンイチで
なんにもしてない。

でも、用意は5分でできる。
髪は起きた時にくくったまんまやし
化粧もしない。
朝起きて、スキンケアしたし
洗濯する前に焦げんように
オイルケアもした。
靴下履いて、上下の服着て
ピアス付けて
トイレしたら準備完了。
トイレしなかったら2分で
支度は済む。

ひろしに
43歳でお化粧してなくて
外出できる人って
なかなかの強者よね~。
化粧したいとか
思わないの?と。

お化粧も、ファッションも
自分をいかに相手に評価してもらうか。

社会的にも
印象は大事ですよ
最近は男性ですら
美容に気を配る時代。

そんな風に言うけど
相手に良い印象を与えたい、なんて
私の人生にとっての
優先順位で言うと
けつのけつのドンケツ。

加えて、相手が
どういう見た目なのかも
私の人生の優先順位の
ドンケツのこと。

わたしは
自分が心地の良いこと
しか自分に施したいと
思わない。

そんな風に言うと
誰もが私もそうですと
答えるけど
わたしはそんな軽い感じではない。

絶対優先が
自分を心地よく
生きてもらう。
その為の優先順位がある。

他者に対しても
顔が綺麗だとか
スタイルがええとか
センスがええとか
肩書がどうとか
そういうことは
相手に興味を持つという
事に関して
どれも重要じゃない。
むしろ不要。

よく中身っていうけど
結局は見た目やろ。って。

中身重視なんて
ええ格好すんなって
そんなこと言ってる人を
けなすけど
わたしはほんまに本気で
むっちゃでっかい声で伝えたい。

外見のなんのメリットあるん?
わたしに。って。

中身も良くて、さらに
外見もええ人に
外見なんてどうでもええって
話ではない。

外見で相手を選んだりしない。
そこだ。

だから、外見を見ても
無反応。
わたしはそういうこと。

若い時は
見てくれから入るのは
人生の経験値もない上に
判断材料がないから。

動物的感覚で
子孫を残すということも
加わるけど
この歳になったら
もう子孫は産めれんし
自分の経験値も
毎年どんどん上がっていって
他人と関わる材料として
見た目で選んだりする
意味がない。

どんなに男前でも
若くとも
それだけ、なら
私に何の価値がある?


私以外の人は
あんまり自分の残りの限られた
時間のことを意識している人は
ほんまに少ないと思う。

そんなことないでっていうけど
そうとしか思えない
人生を送っている。

わたしはずいぶん若い時から
自分が人生の中で
逃げ切れんことは
「死」やと自覚し続けて
今も生きている。

逃げれん。
まじで。
あ~嫌だ、無理、なんて
逃げ切れん。

妊娠中に体感したから
わかる。

絶対に子供を産む日が来る。
絶対に逃げれん。

産む日が来る。
下から出すか、腹を切って出すかしか
道はない。

いつかくる。
動物も虫もいつか死ぬ日が来る。

ぼやっとしてられない。
そんな風に若い時から思って
今もそう。

自分に化粧したところで
自分は見れない。
相手にぶっさいくやな~と
思われても私は
痛くもかゆくもない。
困らない。
態度でかいな~こいつって
思われても
その人と人生関わらないなら
それもなんも痛手がない。

相手に対してもそうだ。
若いだろうが老人だろうが
背が低いだ高いだ
おしゃれかダサいか
車や家がでかいとか小さいとか
どうでもいい。

そんなことよりも
どんな思いをもって
どんな価値観を持って
それに対して何をしていて(行動
実行)しているか
そしてどういう可能性をもって
未来を目指しているか。
そういうことが
わたしが他者に対して
気になるところ。

そんなことぱっと通り過ぎた
人には感じない。

喋ってる話を聞いて
こいつと会話してみたい。
それが私の他人への
興味の第一歩。

話す内容だけでは
足りない。
話す技。
両方揃ってたら
言うことなし。

喋りは聞くだけやけど
会話はお互いのパスが
うまくできるかどうか。

ラリーができるか。
これが人を評価する
私の判断材料。

見てくれでも肩書でもない。

わたしが今の人生で
関わってる人たちは
見てくれも肩書も
なんの共通点もない。

誰かが嫌いな人、苦手な人を
何も知らんくせに
嫌いになったり、苦手にはならん。

人のうわさ話は絶対に
信じない。

昔から
「あの子って嫌われてる」
レッテルを貼られてきたことも
理由かもしれないけど
見た目では判断しない。
噂でも判断しない。
知りもしないことの判断をしない。

人も物も事も
全部。

人生残された時間は
わからないけど
自分の人生の登場人物は
全員ヒロイン級で
あってもらわんと。
脇役、通行人は
要らん。




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