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リック・ウェイクマンとケン・ラッセルとマーラー交響曲第6番

リック・ウェイクマン(Rick Wakeman)はキーボード奏者。プログレッシブ・ロックバンド「Yes」に所属し、名声を博しますが、脱退、ソロ活動に入ります。

アナログ・シンセサイザー究極の使い手と言われ、5台ほどのキーボードを自分の周りに配置してそれぞれを片手で同時に演奏するという離れ業で知られました。

何か、この人の音楽世界って、ロックではなくなって、完全に独自ワールドになってしまっていて、時としてほとんど誇大妄想的な世界観すら感じるのですが、面白いアーティストだと思います。

「アーサー王と円卓の騎士の伝説(The Myths and Legends of King Arthur and the Knights of the Round Table)」というアルバムに至っては、大オーケストラ音楽と化し、実際に南米のオケが独自のアルバムを出していたりして、私はそちらも所有しています。

その前のアルバム、「ヘンリー8世と6人の妻(The Six Wives of Henry VIII)」の方が、むしろ緻密でバロック風とも言えるキーボードの織りなす綾が美しい一枚。一般向きはこちらでしょうか。


・・・これ、上の動画をたどっていくと、全曲聴けます。

「リストマニア」という作品(もともとは映画)、これは、ロマン派の作曲家、フランツ・リストをロックスターに見立てた、それこそ大言壮語な作品(ケン・ラッセル監督)なんですが、意外や意外、サントラ聴くと、すごく清澄な音楽と思えてきます。

これ、今、映画の方はDVDが北米盤しか出てなくて、リージョンの問題があって再生できないのが残念。

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今、ケン・ラッセル監督のことにも触れましたが、音楽映画の鬼才と言われるこの人のデジタル媒体化は遅れていますが、幸い、「マーラー」はブルーレイで安価に手に手に入ります。

エキセントリックなところもありますが、本格的なマーラー映画として十分楽しめますので、オススメです。

私の好きな、交響曲第6番がテーマソングのような映画なものです。


マーラーの交響曲第6番「悲劇的」は、シューマンの交響曲第4番と並ぶ、私の「無人島の2枚」。

マーラーとしては古典的な4楽章編成ですが、特に30分近くに及ぶ第4楽章が圧巻。英雄的な突撃と勝利の瞬間に、突如破滅が訪れて終わるという、何とも屈折した曲です。静かに始まる第3楽章も美しい。

ケン・ラッセルの映画で使われているのは、ハイティンク指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ものですが、今は、シカゴ交響楽団との3回目の新しい録音のみしか入手できないみたいなので、そちらをリンク:

YouTube動画はというと、ハイティンク指揮は今度は2回目のベルリン・フィルとのものになってしまいます。

オーソドックスな秀演ですね。私は満足しました。この演奏は、AmazomMUSICに加入すると、容易に入手できますよ。


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