してやってる思考
君のために、こんなに〇〇してあげてるのに
こういう人、いませんか?身近に。
頼んでない と返せば「なんでそんな可愛げのないことを言うんだ」と言われ
成果をだせば「自分たちが〇〇してきてあげたから」と手柄を横取りされ。
してやってる思考の中に「相手はどう思っているか」なんてプロセスは、これっぽっちもありません。皆無です、皆無。
この 「してやってる」という言葉は、相手に文句を言わせない、罪悪感を抱かせる言葉なんですよね。
他者に感謝される前提で、自分の行動を決めると、大体はモヤモヤして終わると思います。
まず、大大前提として相手が感謝してくれるかどうかは、相手しだいです。
なので、感謝されるつもりで行動しても感謝されないことだって当然あります。
でもそれじゃ自分のモヤモヤは解決しません。
だからこそ「感謝しろ」と強要したり、「可愛げがない」と嫌味を言いたくなるんです。
してやってるのに… という感覚は、私の場合、仕事をしているとよく感じます。
本当は本人がやるべき申請を、代わり準備して関係機関に下話しておいたのにドタキャンされたり
お金がないというから、さてどうしようか…と考え動いているうちにパチンコに行かれてたり
あげたらキリがないですね。
基本的に、裏切られる前提の仕事なので…。
ただ、保健師のような対人援助職や、医療従事者のような仕事を選ぶきっかけって
人の役に立ちたい(人から感謝されたい)という思いがスタートだったりするんですよね。
私もそうでした。
この記事を書くきっかけになった本があります。
同じ著者の本です。この著者の方が唱えているのが 自分中心心理学。(自己中とは違う)
かなりざっくりいうと「自分に共感する力」という感じ。
「~してやったのに(だから感謝しろ)」という感情が生まれるのって、ほとんどが自分が損した(と感じる)場面だと思うんです。
損する=自分に何らかの犠牲が発生した時 です。
自己犠牲が発生するから、見返りが欲しくなる。
では自己犠牲ってなんだろな、と考えたら
自分に対する共感性の欠如 の結果なのかなと思いました。
もし自分に共感する力があれば、そもそも自分が「損しそうだなぁ…」と感じる行動には手を出さない。
自分が損しない範囲で、相手に与える
このやり方なら、どちらにも犠牲がないので、誰も嫌な気分になりません。
この 自分に共感する力 をしっかり身につけている人は、してやってる思考になりにくいんだろうなと思いました。
うまく力を抜いて仕事をし、かといって適当でなく、嫌な気がしない人。
そういう人は、自分への共感力が強い人です。
はじめに例として書いた
頼んでない と返せば「なんでそんな可愛げのないことを言うんだ」と言われ
成果をだせば「自分たちが〇〇してきてあげたから」と手柄を横取りされ。
これらは、私が親からかけられてきた実際の言葉たちです。
このようなスタンスで育児をしてもらった私は、
自己犠牲のもと「人に感謝されたい」を軸に行動を選ぶようになりました。
そして気づけば医療の道へ興味が湧き…今に至ります。
してやってるのに…は、散々言われてきた言葉なので、そういった目で相手を見ないよう意識をして乗り切ってきました。
ですが、自己犠牲の面はなかなか改善せず…
無駄に頑張り過ぎたり、自分のできる範囲を超えて相手に尽くしてしまったりと、私自身に優しくない行動が目立ちました。
同時に、保健師としておこなってきた支援にも、あまりいい影響は無かったと反省しています。
上記で紹介した本を読んでから、少しずつ変化が生じてきています。
常識やルールや、社会から望まれる役割よりも
自分の心はどう思ってるか で行動を選べるようになってきました。
自分が「ツライな」と思ったことは、正直に相手に伝える。
自分が「〇〇したいな」と思ったことは、周りの目を気にせずやってみる。
少しずつですが、自分の限界を超えて頑張りすぎ場面が減ってきました。
他人からどう見られるかで服や化粧をせず、自分の着たい服、したい化粧をするようになりました。
正直、自分のために生きるって、こんな楽ちんで、こんなにも楽しかったんだ…と感動してます。
裏を返せば、してやってる思考の人は、本当の意味で楽しい生き方をしてないのかもしれません。
してやってる思考の持ち主の被害にあってる人へ
相手を変えることはプロでも難しいです。そんな状況だからこそ、せめてあなたは自分中心(自分に共感できる人)でいてください。
自分の心がつらい と思ったら、断ってもいいのです。
私のように無意識に巻き込まれないよう、気をつけてくださいね。
してやってる思考になってる気がする人へ
自分を嫌いにならないでください。おそらく、あなた自身も、してやってる思考に苦しめられてきた人だと思われます。
自分が無理して頑張ると、どうしても見返りが欲しくなります。それは心の動きとしては当然です。
頑張ってもいいんです。だけど自分の心に本音を問いながら、自分に優しくすることを意識してみてください。
あなたの 〇〇したい の線上に、誰かのためになる行動がたまたま存在するのです。あなたがしたくないことは、しなくていいです。
「本当に、しなくていいのかな?」と自信が無くなったら、この記事にまた戻ってきてください。
ここにも、自分の生き方にに自信が持てない保健師がいます。
お互いに励まし合いながら、なりたい自分になっていきましょうね。