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あなたがいなくても世界は廻ること

あのひとの訃報を聴いたその夜、ぼくは怒って怒って怒って、怒っていた。この世の不条理に。どうにもならぬ宿命に。はんめ──祖母を喪ったときもそういえばこんなふうに怒っていたな、と思い出す。そしてやはり、ぼくは泣けない。

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2,203字
ぼくの地下室にも、あなたの地下室にも、理不尽に傷つけられて息も絶え絶えになった猫がいると思う。その猫たちを一緒に拾い上げ、慰撫する場所になったらいい。

地下室の猫を拾い、ほこりを払ってブラッシングして、頬ずりしたりお腹に顔を埋めて匂いを嗅いだりする文章たち。

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