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オイル交換

前日に予約したガソリンスタンドへ、朝の9時にから車のエンジンオイルのを交換に向かった。
たどたどしい敬語で「車はここに停めてもらっていて大丈夫です」と若い男の従業員に言われ、待機所に誘導される。
従業員の後ろには先輩であろう人が見守っている。
一昨日、楽天で購入した本で待機時間を過ごす。スピンがまだ真ん中にある硬い本がワクワクする。30分くらいかな。

本を読んでいると雪駄で軽装の外国人が、これまた、たどたどしい言葉で駆け込んできた。
「ちゅみません。道が知りたい」
従業員は、地図を描くから椅子に座って、少し待ってくれと指示した。
相席になる私。
田舎のガソリンスタンドなので外国人を接客することもなさそうだ。
なんとなく、緊張感が出ている。
新しい本を読み始めたばかりの私は、その雰囲気に軽くのまれてしまい、
読書に集中できない。
日曜の朝、慣れていない従業員のいるガソリンスタンドは、私のオイル交換と思わぬ地図製作に、忙しそうだ。
私の目が滑っていると、外国人は立ち上がり、時間がないからと
待機所から出て行ってしまった。
緊張感が解けた。文章が頭に流れ込む。

先輩従業員からオイルに種類があるので選べるとのこと。
3種類あり、値段もバラバラだ。
簡単な説明を受けたが、結局どれがよいのか、わからずじまいだった。
自分でも説明ができるようにと、隣で若い従業員も説明を聞いている。
この人はわかったのかな。
次は自分でお客さんに説明するんだよな。大変だ。
とりあえず、一番いいやつを選んで、お願いした。
作業は思ったより早く、20分くらいだった。
お会計をカードでお願いすると、若い従業員は説明を受けながら清算をしている。
もしかしたら先々月前まで、高校生だったのかもしれない。
次のオイル交換をするときは彼一人で応対できるのか。
ちょっとした楽しみができた。

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