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宇宙へむかう

写真は浜辺の「のぶどう」です。
のぶどうは色味が豊富。黄緑、緑、青緑、青、紫、紅色と、ひとつの蔓にいろんな色を実らせる。この多様性が好きです。

写真まん中なんて、地球っぽい。
宇宙空間にうかぶ惑星みたいでかわいい。


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昔、とても大切な友達に、本を贈ったことがある。

宇宙飛行士の野口聡一さんの本で、国際宇宙ステーションから撮られた地球の姿がたくさんちりばめられた綺麗な写真集。

絵画のような模様がうかびあがる海、オーロラと星の光が輝く都市の夜景。こんな景色があったんだ!と胸をうたれる写真がいっぱいだった。
そして、そこに添えられた野口さんの言葉の優しさ。

少年のような好奇心と、宝物を見つけるようなわくわくした気持ち、地球への大きな愛。

私も友人も、お互いどんづまりの、これ以上どうにもこうにも進めない、そしてお互いどうしたらいいかわからない、助けあうこともできない、闇のなかだった。
自分の苦しさも、友人の苦しさも、自分たちの力ではもうどうにもできないところまで来ていて、私からなにかできるとすれば、もう祈ることしかないかもしれない、と思いこんでいた。そして、この本を贈った。

してあげられることなどほとんどないけれども、「あなたの住む場所はこんなにきれいなんだよ」ということだけでも、伝えたかったのかな、と思う。

今はもう会うこともなくなったけれど、元気で暮らしているみたいだし、きっとこれからも健やかに暮らしていくと思う。
でもこの本を贈ったころと変わらず、私は「あなたの住む場所はこんなにきれいなんだよ」と遠く祈るような気持ちでいる。


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もうすぐ野口聡一さんがふたたび宇宙に行く。
ずっと野口さんのことは好きで、ときどきTwitterの、素敵な写真や言葉を見たりしていた。

今度は6ヶ月の滞在。

Twitterでは、それに関連して「あなたが6ヶ月で達成したいミッション=挑戦をツイートする」という野口さん応援キャンペーンをやっている。

noteをはじめるとき、漠然と考えていたことがあって、「たとえどんなに反応がなくても、だれかに読んでもらえなくても、自分のために、自分が書きたいことをこつこつ書いていこう、とにかく半年は」と決めた。
はからずもおなじ期間だったことに、すこし不思議な気持ちがする。

今回、野口さんは搭乗する宇宙船に「レジリエンス」という名前をつけた。回復する力、という意味。困難な状況から立ち上がってゆく、その力のこと。

息もじょうずにできないほどの暗闇であっても、その力の存在を想うことができたら、なにかが変わってゆくかもしれない。

あのころ暗いへやのなかで見ていた野口さんの写真や言葉は私にとって大切な光だった。
私もまた、地球から、自分のできるかたちで小さな光を灯していきたい。

野口さん、無事に宇宙へ行けますように。
そして、また素敵な景色がその目に映りますように!

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