「目の見えない白鳥さん、アートを見にいく」
2023.10.01 さよ
全盲の美術鑑賞者、白鳥健二さんの日々を追ったドキュメンタリー映画です。
全国のミニシアターで上映中。
東京では唯一となってしまった、シネマ・チュプキ・タバタでの上映に滑り込みで行ってきました。
白鳥さんは20年以上前から、全国の美術館を訪れています。
目が見えない白鳥さんが、アート鑑賞に訪れるというのは、美術館の方にとっても初めての経験で驚きと戸惑いがあったはず。
そんな、いわばアウェーの場所に飛び込んでいった白鳥さん強すぎる…!
おそらく、私たちが無意識に作ってしまっている心の中のハードルを、ぴょいぴょいと飛び越えてきた方なのだろう。
映画に登場する白鳥さんのご友人との距離感もすごく良い。
困っていたら相談に乗る、できないことがあれば助け合う。
それは、障がいがあってもなくても同じこと。
私自身、そういう人でありたいと思っているけど、実際は難しいと感じていることにも、気づかされました。
2021年、白鳥さんが写真作品で出展した、福島の「はじまりの美術館」は私も偶然訪れたことがあって。
あの場所で感じた、木のぬくもりや日差しの柔らかさ、ゆるやかに流れる時間を思い出すことができました。
白鳥さんが最後に「幸せは時間の中にある」と、話していた。
これは言い得て妙だ。たしかに、未来に進むのが怖くても、一生このままが良いとは思わないし、楽しかった過去に戻りたいとも思わない。
どんなに良い思い出も、嫌な思い出も、そこに時間の流れがなければ、その尊さは損なわれてしまうような気がする。
この映画は、全国各地で自主上映というかたちでも観られるようです!
https://shiratoriart.jp
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