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海外のAI事情~シンガポール編~

こんばんは。
今週はずっと海外AI事情についてのnoteを書いています。
中国編としてVol.1、Vol.2を書いてきました。
米国・カナダ・欧州がやはりAI領域には強いのですが、急成長を遂げる中国もアジア。私もアジアに興味が高いので、アジア中心ということで、今日はシンガポールのAI事情を書きます。

シンガポールのAI事情

シンガポールも中国と同じく国をあげてAIに非常に力をいれています。
2018年8月に新たな国家イニシアチブを発表し、AI分野の人材育成がさらに強化されています。

AI SingaporeというAIを急成長させるための政府主導のプログラムが特に注目されています。
ここでは、以下のようなことを目指しています。
 ・AI実習プログラムで200名の専門家を2020年までに育成。
 ・今後3年間12000名にAI知識をつけさせる。
( ちなみ人口は日本の1/22の約561万人です。)

実際に100 Experimentsというプログラムでは、AI SingaporeはAIリサーチャーやAIエンジニアリングチームを送り出し、25万シンガポールドル(約2000万円)共同出資も行いながら、企業とコラボレーションし9~18ヶ月のAIプロダクト作成・AIエンジニア育成を支援しています。

また、AI for Industry(AI4I)AI for Everyone(AI4E)というプログラムもあります。

AI4Iは、将来的な雇用機会を見据えた基本的なAIおよびアプリ開発に関する3か月間の助成金付き基本コースで、企業幹部やAI技術に関心のある受講者が対象です。

AI4E無料で参加できる3時間の入門ワークショップで、1万人がAIとデータサイエンスについて学びます。これは、AIの実用性を学び、業務や日常生活における潜在的用途を見極めることを目的とする非エンジニア向けで、マイクロソフト、インテルも支援を行なっています。

このプログラムを後援する政府機関である情報通信メディア開発庁(IMDA)は、以下のようなサポートも行なっています。

・フルタイムの兵役者と学生に対して500SGD(40,500円)のコース料金を最大で100%支援
中小企業が支援する受講生および40歳以上のシンガポール人に対して最大90%、その他の参加者には最大70%の助成金

まさに、政府主導のAI人材育成ですね。

シンガポールの人材事情

そもそも、シンガポールの人材は果たしてどれほど優秀なのでしょうか。
世界大学ランキングのコンピュータサイエンス部門で、シンガポールのシンガポール国立大学(NUS)が9位南洋理工大学(NTU)が14位とアジアでは上位なんです。(東京大学は21位)

CS Ranking(米)が2018年に発表した最新の世界大学ランキングにもAI分野があるのですが、アジア大学ランキング(人工知能分野)では以下のように中国の次をシンガポール2大学が占めています。(東京大学は8位)

1位:清華大学(中国)
2位:北京大学(中国)
3位:南洋(ナンヤン)工科大学(シンガポール)
4位:シンガポール国立大学(シンガポール)

優秀な学生には国外企業も目をつけていて、2018年にアリババが、シンガポールの南洋工科大学(NTU)、シンガポール経済発展局(EDB)と連携し、人工知能(AI)に関する博士の育成を始めると発表しました。
対象者には、博士号取得のための資金のほか、月2万5000元の手当(約40万円)を支給するとのことです。
2019年1月に1期生を迎え、優秀な成績で卒業すればアリババで採用すると発表しています。

また、シンガポール国立大学(NUS)のAI時代に向けた取り組みも非常に面白く、2015年から「Future-ready Graduates(CFG)」というプログラムを行なっています。
人間が行う仕事が淘汰することを視野に入れ、「来たる未来に備わった学生を輩出する」ことを目的として、同大学の全学生に対し、マインドフルネスレジリエンスなど、人のソフトスキルに特化した実践的トレーニングを世界初で「必須科目」にしています。


そもそも優秀な上、更に政府からの支援も手厚い、中国に続くアジアAI大国・シンガポール。今後も多くシンガポール発AIスタートアップが生まれてくると予想します。東南アジアへの拡大にも強いシンガポール。
今後も期待大です。では。

期待・サポートいただけると更に頑張っちゃいます!