「好き」を伝えるには遅すぎた

外が涼しくて、エアコンをつけずに窓を開けながら寝転がっていると、隣の部屋の人が吸ったタバコの匂いが入ってきて感じるあの気持ちとか

元カレと付き合っていた時によく聞いていた曲がたまたま流れてきて切なくなるあの気持ちとか

そんな気持ちに近しくてちくっとする。
ああ、好きだったんだなあ。

そう思ったのはつい数ヶ月前。
元カレと別れてマッチングアプリをはじめ、10ヶ月前に出会った人。

普段のマッチングアプリのやりとりは真面目なくせに、だらしのないラインが続いてしまい、そのままパフェデートをすることになった。

1回目のデートで私の乳がでかかったことから
都合の良い関係になることを誘われた。

なんで付き合わずに都合の良い関係かって?
向こうは4年付き合った彼女と別れた26歳。
次に付き合う人とは結婚すると決めていたみたいだし、私は今年中には東京に引っ越し、社会人1年目になるわけで。
どう考えても将来が合わなかった。
何よりも、お互いの理想とする恋人像が対極すぎた。

お互いに生涯関わることができる未来は見えていなかったからだと思う。

都合の良い関係を作ることが後々自分を苦しめることなんてわかっていた。だから、「日中のデートをすること」「適当な私のラインに構うこと」を条件に承諾した。
顔はイケメンだけど性格がタイプじゃないから、多分好きになることはないだろうな。と油断していた。

彼は大人だ。
シーシャとかメダルとかAPEXとか、真面目な私の人生で、やってみたかったことを経験させてくれた。
ゲームセンターに行きたいと言い出した私に、日本最大のゲームセンターに行くことを提案され、埼玉県に1泊2日で行くものの、ものすごくしょぼくてがっかりしたり。
夜11時半に終わるアルバイトのお迎えも、40分かけて仕事終わりに来てくれて、車で大熱唱なんかもしたりして。
(送迎だけしておうちに帰るなんて、信じられないけれど、そういう人。)
ありふれたクズらしい行動一つ一つが絶え間なく楽しかった。

貸してくれた、SwitchでフォートナイトとAPEXを一人でやり込んだり、
本当に、人生最大の余暇を楽しんだ気がする。(笑)

私は、何かを一生懸命に頑張っていないと
自分の意義を見失ってしまう人で。

彼は、仕事もぼちぼち、ゲームとか生産性ないな!
と思うことでも、どんな時でも楽しめる人で。

そんな彼がとっても素敵だった。
仕事はもう少し真面目にやれとは思うけれど。(笑)


彼が、有給を使って一日ダラダラしたかった日。
私は暇だったから、彼と一日一緒にいることにした。
自分の誕生日が近くて、ご褒美のケーキが食べたかった。
彼には誕生日が過ぎたことを伝えなかったけれど、
「ケーキが食べたい」
と伝えて、お互いに食べたいケーキを買った。
そして2回戦が終わったところでケーキを食べた。

切ないねえ。
すごく楽しみにしていた、とっても高いタルトケーキのはずなのに。
食べていくとなくなっていくケーキにこの楽しいひとときの終わりを感じて悲しくなった。

結局8回戦を目標にしていた1日が2回戦で終わってしまった。(笑)

もうこの関係も終わりだと思った。
自分は東京に行くんだ。絶対にいい人生を送るんだ。
そんな誓いを立てて、彼に借りていたSwitchを返した。

日を重ねるごとに、自分という存在が彼の中でどうでもいいことを実感する切なさと「好き」がそこにないことを実感する切なさが交わりながら落ち込む。

なんで、あの時おっけいしてしまったのだろう

なんで、あの時魔がさしてしまったのだろう

そんなことを考えても、解決しない夜でした。




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