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書く者の孤独

「かつて、『文字を記す』『文章を書く』というのは、孤独な作業だった。書く者は一人、読む者も一人だった。書物というものは、筆写という作業によって出来上がって、それがなければ、書物は一冊存在出来なかった。
その時代の知識というものがどれほど孤独で、どれほど歪(いびつ)なものであっただろうかと、私は思う。その孤独は、ほとんど神として存在するものの孤独と同じ筈だと。」

橋本治『浮上せよと活字は言う』

橋本治の孤独を思うとき、この表現が一番近いのではないかと思うことがある。


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