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分断本能〜世界は分断されているという思い込み〜

せっかく読書が趣味なので、読んだ本の感想やまとめを残していこうと思う。
最近読んだ本の「FACTFULNESS」から第一章をひとまず要約していく。

分断本能とは「途上国と先進国」や「貧困層と億万長者」など、何事も2つのグループに分けて考えたがる本能のことであり、いわゆる「二項対立」を求めることである。
良いか悪いか、正義か悪か、自国か他国か。
世界を2つに分けるのは、シンプルだし直感的かもしれない。
しかも双方が対立していればなおドラマチックで気持ちがいい。
私達はいつも知らぬ間に、世界を2つに分けてしまっているのだ。

ジャーナリストは人間の分断本能に訴えかけたがるため、話を組み立てる際、対立する2人、2つの考え方、2つのグループを強調する。
「世界には極度の貧困層もいれば、億万長者もいる」という話は伝わりやすく、「世界の大半は、少しずつだが良い暮らしを始めている」という話は伝わりにくい。
ドキュメンタリー制作者や映画監督も同じくこの分断本能を利用している。
弱い個人が悪徳大企業に立ち向かうさまは、ドキュメンタリー番組でよく描かれる。正義と悪との闘いは、大ヒット映画ではお決まりの王道展開である。

実際には分断がないのに人は分断があると思い込んだり、違いがないのに違いがあると思い込んだり、対立がないのに対立があると思い込んでしまう。
どれも分断本能のしわざだ。

私達は日々、ニュースや政治団体のサイトなどから、二つのグループが対立している話や、「格差が拡大している」という話をよく目にする。
分断本能の影響は世の中に蔓延していて、どれもが大幅に歪んだデータの解釈に繋がってしまう。
そのため本書でも最初に取り上げられている。

今現在、大半の人は低所得でも高所得でもなく、中所得の国に暮らしている。
低所得国と高所得国の間には分断があると思われているが、実際には分断はなく、代わりに中所得国がある。
そこには、人類の75%が暮らしている。

[まとめ]
・話の中の「分断」を示す言葉に気づくこと。
・それが、重なり合わない二つのグループを連想させることに気づくこと。
・多くの場合、実際には分断は無く、誰もいないと思われていた中間部分に大半の人がいる。
・分断本能を抑えるには、大半の人がどこにいるか探すことである。

FACTFULNESSファクトフルネス 
ハンス・ロスリング、
オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著


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