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NEWSの手越くんへ捧ぐ

今でこそジャニーズの新星グループのSixTONESにワーワー言っている私だが、実はジャニーズで一番最初に好きになったのは当時8人で活動していたNEWSだった。

初めて好きになった曲は「チェリッシュ」で、学校の行き帰りによく振り付きで歌っていたような気がする。簡単な振り付けなのに何故か王子様感溢れる彼らが大好きだった。

私にジャニーズ好きの血を流した張本人の母は今も昔も山Pこと山下くんに夢中だが、当時小5だった私はセンターにいる彼ではなく、何となくではあるけれど、後ろの方にいる手越くんが気になっていた。

今はNEWSだと加藤シゲアキ氏を推しているけれど、その入り口は手越くんだ。

まだ髪を染めていなくて、歌割りも少なくて、バラエティにも出ていなくて、歌番組ではろくに喋らせてもらえない。そんなときから彼が好きだった。

初期のNEWSの曲を聴いてもらうと分かるけれど、山Pと錦戸くん以外ほぼ誰もソロで歌っていない曲がまぁまぁな数ある。初期のキスマイもびっくりのグループ内格差。

歌が上手いテゴマスの2人はさておき、歌は正直あまり得意ではない(苦手なんだろうな、というのがファンにも伝わってくる)加藤くんなんて、4人になるまではシングルでも1曲1フレーズしか歌わせてもらえていないことの方が多かった。今でも彼が歌い出しを担当している曲を聴くと「報われて良かったね」とついつい親心を出しそうになる。

最初の9人から今の4人にまで減ってしまってファンとしても悲しかったけれど、その中で4人になって良かったと思える点は推しの歌割りが増えたことだ。嬉しいような悲しいような複雑な気持ち。


さて話を手越くんに戻そう。

一度だけコンサート会場で彼のうちわを買ったことがある。

買った理由は覚えていなくて、本当に何となく買ったんだと思う。

山Pが大好きだった母に連れられて行った2007年か2008年のpacificのコンサートで、そうして何となく買ったうちわを持って客席に立った私の度肝を抜いたのが手越くんの歌唱力だった。

熱狂に包まれたコンサート会場からの帰り道、湧き出る噴水に囲まれながら「ゴメンネジュリエット」という曲を披露した山Pを「彼はもう美しすぎて我々と同じ人間ではない」と母が熱心に語る中、私は手越くんが錦戸くんと加藤くんと歌っていた「愛なんて」という曲が頭から離れなかった。手越くんは歌が上手いんだな、と思ったのはそのときだ。

テレビではあんなに影が薄かった彼が、コンサート会場では「俺を見ろ」と言わんばかりのパフォーマンスを見せるのが衝撃的だった。アイドルの中には普段バラエティなどで見せる姿とは別人のように一度舞台に立つとめちゃくちゃに輝きだす人が多いけれど、手越くんはまさにそのタイプだった。

歌は上手いし、「愛してるぜ子猫ちゃん」のような甘い言葉も恥ずかしげもなく平気で口にするし、グイグイ前に出てくるし、ソロ曲では隙あらばファンの歓声を浴びようとする。(冒頭から彼の半裸がしばらく大画面のスクリーンに映り続ける演出のソロ曲が過去にあった)

そういった諸々を浴びせつけられ、天性のアイドルだなぁと思わずにはいられなかった。

コンサートに行って衝撃を受けた後の私は手越くんが歌っているのをどうしても聴き返したくなって、チケットが当たらずに行けなかったコンサートもライブDVDだけは毎回買うようにしていた。

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山下くんと錦戸くんの主力メンバーが抜けて、NEWSがいわゆる「イチゴのないショートケーキ」状態になった2011年以降も彼はアイドルとしての活動をやめなかった。

4人になってから初めてのコンサートだった2012年、「フルスイング」という曲を歌っている最中に感極まって泣いてしまう手越くんの映像がライブDVDに収められているのを見たときの衝撃は忘れられない。

あれだけ陽気でバラエティでふざけ回っていて打たれても踏まれてもへこたれないように見えた彼が、何千何万というファンの前で声を震わせて涙したことが私にとってめちゃくちゃ衝撃的だった。泣いたことなんてこれまでもこれからも全然ありませーんっていうような顔をしておいて、そのギャップはないだろう。

ちなみにこの手越くんの涙が見られる伝説のコンサートは「NEWS LIVE TOUR 2012〜美しい恋にするよ〜」というふざけてんのか?と言いたくなるタイトルでDVD化、Blu-ray化されているので気になる人は是非見てほしい。
私は今でもNEWSのライブツアーはこの回が最高傑作だと思っている。

その後の彼は皆さんも知るように、歌唱力を生かして歌番組に出たり、「テイ」でお馴染みの例のバラエティで頭角を表したりと、お茶の間への認知度をどんどん上げていった。 

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NEWSの情報を追いかけなくなってから、もうかれこれ5年くらいになる。

追いかけなくなった理由は色々ある。度重なる不祥事だったり、文春砲だったり、リリースした曲が自分の好みではなかったり、展開の早さについていけなくなったり。

それでもやっぱり自分の原点は彼らだと思うし、わざわざ録画したりはしないけれどテレビ番組に出ているとついつい見てしまう。

今回の事務所退所の噂が噂であればいいと願ってはいるけれど、錦戸くんの前例があるので100%あり得ないとは言い切れない。30歳を超えてもアイドルであることが嫌になったのかもしれない。

10年以上も一緒に挫折を味わいながらも同じグループで活動できる仕事仲間がいて、その人たちと色々な夢を叶えて、何かあったときにも「守る」と言ってくれる相方がいて、遠いところにいる私たちには「アイドル」は幸せな人生に見える。でも本人にとってはそうではないのかもしれない。それは私は彼ではないので一生絶対に分からない。

曲がりなりにも一時期でもファンだった者としては、報道や文春砲がすべて間違いではなかったとしても、せめて2012年のあのコンサートで見せた彼の姿が、ファンの私たちに一時でも美しい恋をしようと夢を見せてくれた彼の姿が、偶像でも演出でもなく本当であることを願うばかりである。


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