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事務所スタッフ総出でパイナップルケーキを手作りする話

去年、中秋節が近づいてきた頃、近所の仲良しのおばちゃんから「今パイナップルケーキを作ってるからおいで」とLINEが来ました。

そのおばちゃんはポロシャツの襟や袖部分を作る工場の女社長です。第一子妊娠中だったわたしは、大きなお腹を抱えて、おばちゃんの工場へ遊びに行きました。

台湾では中秋節に、お世話になった方へ月餅などのお菓子や柚子(日本のとは違って大きな柑橘系の果物。たぶん文旦?)を贈り合う風習があります。

そのために、なんとおばちゃんの工場では、女性社員たちがみんな仕事そっちのけで三日間も取引先に配るためのパイナップルケーキと蛋黃酥(卵の黄身とあんこが入ったパイ)を大量に手作りして、箱詰めする作業に追われていたのです。

その話を聞いた台湾人の旦那も「えっ、仕事しないでお菓子を作っているの?」と笑っていたので、普通は外注するものだと思います。

もちろんキッチンやお菓子作り用の設備があるわけではないので、事務机の上を片付けてみんなでワイワイお喋りしながらお菓子を作っていました。

まず1日目は、台湾のお土産の大定番、パイナップルケーキ。これが手作りできるということにびっくりしました。

だって、なんか四角くて、いかにも工場で大量に生産しています、という感じがしませんか?パイナップルケーキが四角いのは、四角い型に入れて焼いているからだという非常に単純なことに、わたしはその日やっと気づいたのでした。

奥に写っている銀色のトレイの上に置かれた黒くて丸いものがパイナップルの餡を丸めたものです。それを生地で包んで丸めます。一度、丸くするんですね!

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それを他の人が型に入れていきます。「こうやって親指の付け根で押し込むのよ」とコツを教わりました。

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オーブンで焼き上げていきます。写真のものにはゴマがかかっているのが見えるでしょうか。台湾では宗教上の理由などで素食(ベジタリアン)の人も多いため、素食用のものと普通のものと2種類作っていて、表面にゴマをふってあるかどうかで見分けがつくようにしていました。(一年前なので記憶が曖昧ですが、素食用でないものにはパイナップル餡の中に黄身を入れていたのだと思います)

たくさん作らなくてはいけませんから、どんどん焼いて、焼き上がったら大きな扇風機の前に置いて冷まします。

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冷めたら個包装します。袋に入れて、機械で閉じていきます。まるで売り物みたい!

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わたしはこんな可愛い焼き立てのパイナップルケーキをいただきました!ちょっとおふざけで顔を描いてみたみたいです。

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さて、3日目の最終日の午後にもお邪魔したら、蛋黃酥作りがもうすぐ終わるところでした。私は蛋黃酥を食べたことがなかったので、また焼き立てをもらえないかなぁとこっそり狙っていました。

黄身を餡(日本のあんこと同じ味です)で包む人と、生地を伸ばす人に分かれて作業を進めています。伸ばした生地はまたクルクルと棒状に丸めてビニール袋のかかったパッドに並べていきます。乾燥予防でしょうか?

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生地で餡を包んで、鉄板に並べていき、表面に卵黄を塗ります。

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焼き上がったら、やっぱり扇風機の前で冷まします。

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わたしはこの中に入っている黄身がパサパサしていて正直苦手でした。黄身がなければ、あんこを包んだパイの味は、懐かしい味がします。

道産子としては、父が好きだったので幼い頃からよく食べた北海道銘菓、千秋庵の「ノースマン」を思い出します。コロナが落ち着いたら、蛋黃酥をお土産に帰省して、父にも食べてみてもらいたいです。

今年はコロナの影響で、おばちゃんの工場でもお菓子を手作りしなかったようですが、来年また作るのであれば、覗きにいきたいなと思っています。興味のある方がいたら、ぜひ一緒に見学に行きましょう!

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