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読書人間📚 『乗り遅れたホームの上で』江沢よし




『乗り遅れたホームの上で』江沢よし

2023年 初版第一刷発行



今もどこか遠いところで誰かの哀しみがあり、人が人として生きる為に哀しみを乗り越えようと営む。
しかし生きる限りその哀しみは消えるものでもなく、胸の奥底で大切にしまい、時には開封し懐かしみ涙する。
人は弱いというけれど、江沢さんの著書の中に弱さは垣間見えません。信念を持った人、それを見つけた人だけが持つ強さでしょうか。
厳しい状況の中で、まるでそれを楽しむが如く、人生を渡る姿は、周囲の人々の心を熱くしたでしょう。
自分のことで精一杯のはずの少年が、母の哀しみを思い、父の軌跡を辿り、更にはふれあう人々の逡巡にさえ想いを巡らせ、見ず知らずの誰かの為に営む。
何が運命かわからければ、またその哀しみを運命という言葉で片付けるのもあまりにも雑ですが、与えられたその環境で生きた証が、誰かの幸せの為にあるなら江沢さんの人生は本望なのではないでしょうか。

道に迷いそうな時、人は何かにしがみ付きたくなります。そんなとき、何か道しるべを示してくれるような本書が側にあるといいですね。




カバーデザイン 横塚英雄




⁡@on_the.platform_i_missed
▶︎ノンフィクション
男性は即死、女性は意識不明の重体です。
15歳の少年は両親の事故の知らせを受ける。
順風満帆の人生から突然の転落。
父の思いを胸に運命を切り開く起死回生の物語。




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