【最新号紹介】治療3月号 女性医療の「困った」を乗りきる
三寒四温の季節、いかがお過ごしでしょうか?
新型コロナウイルスも1日の感染者数自体は落ち着いてきていますが、ちょっと感覚がマヒしてきているような気もしますね。
さて、2021年3月号の「治療」は女性医療の特集です。
プライマリ・ケアにおいては必須ともいえる領域ですので、皆さまもある程度できてるよっていう方が多いのではないかと思います。しかし、筋書き通りにいかないのが臨床の難しさで、生活困窮者、暴力の被害者、メンタルヘルスが不安定な女性、未成年者や意思決定が難しい方などなど「う~ん困った...」と感じることもあるのではないでしょうか?
今回はそんなちょっと難しい女性医療を切り口に、プライマリ・ケアと産婦人科の狭間で見落とされてしまいがちな方への対応や、産婦人科へのアクセスの悪い場合にプライマリ・ケアでも対応できる手技をまとめました。
編集幹事は森町家庭医療クリニックの鳴本敬一郎先生。お名前を検索すると剣道学生チャンピオンの記事が出てくるのですが、同姓同名の方かと思ったらまさかのご本人でした! 治療編集部の心のオアシスこと「おしまいのコーナー」(「治療」の最後のページにある編集幹事の先生ご執筆のミニエッセイ)では鳴本先生に剣道の極致について書いていただいており、隠れた見どころとなっております(^^)/
こんなときどうする!?
特集の前半はシチュエーション別の実践例となっております。
貧困、ヘルスリテラシー、メンタルヘルス、意思決定が困難、IPV、SOGIとなかなか一筋縄ではいかない感じが伝わりますでしょうか。これらについても対応の指針やサポートのための資源など、1つ1つ紐解いて解説していただきました。
アドバンストな内容を集めた特集ですが、覚えたいけどやっぱり難しさを感じる低用量ピルやHPVワクチンの説明についても取り上げております。また、子宮頸がん、乳がん検診の勧め方、リスクの解説方法も扱いました。働く女性の健康支援についても項目を設けており、生理休暇や産休についてなど産業医をされる方以外にも覚えておきたい内容を解説していただいております。プライマリ・ケア医としての懐を広げていきましょう!
産婦人科医へのアクセスが悪いとき
特集の後半はもしすぐに産婦人科へ紹介できない場合の対応、ということでプライマリ・ケア医にもできそうな救急的な対応をまとめております。
膣健診、子宮頚部細胞診、経腹超音波のやり方からBLSOの紹介、そして女性の急性腹痛と性器出血の鑑別についてまとめております。
日頃から産婦人科の先生と連携が取れていると安心ですが、地域やシチュエーションによっては頼れるのは自分のみ、という機会も起こりえるのではないでしょうか。いざというときのために、とりあえず本特集を本棚に忍ばせておくことをオススメいたします。
特集の目次
■こんなときどうする!? の実践例
貧 困 西村真紀
女性のヘルスリテラシー ─医療者が意識したいポイント─ 三浦弓佳、井上真智子
メンタルヘルス 中山明子
意思決定が困難な女性へのケア 岡田唯男、池田裕美枝
IPV 池田裕美枝
未成年女性への低用量ピル処方や医療行為について 柴田綾子
プライマリ・ケアにおける HPV ワクチンに関するコミュニケーション 城向 賢
子宮頸がん検診 遠藤美穂、鳴本敬一郎
乳がん検診 ─ハイリスク群に対するアプローチ─ 鳴本敬一郎、岩泉守哉
LGBTQs/SOGI 吉野一枝
働く女性の健康支援 柴田綾子
■産婦人科医へのアクセスが悪いときでもできること
腟鏡診と子宮頸部細胞診の基本的手技 髙村一紘
BLSO(Basic Life Support in Obstetrics)を知る 伊藤雄二
経腹超音波検査:コモンな婦人科疾患 髙村一紘
妊娠可能な年齢での急性腹痛 篠塚仁貴、水谷佳敬
著しい性器出血 栗原史帆、水谷佳敬
ちなみに基本からしっかり勉強したい!という方には
書籍:お母さんを診よう
「治療」2018年4月号:お母さんを守ろう
がおすすめです。
文責:「治療」編集部 カーター
「治療」2021年3月号
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前号の紹介記事はこちら
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