【書籍紹介】とことん極める! 腎盂腎炎
臨床医は腎盂腎炎のことを考えない日はない、と言っても過言ではありません。
「尿が汚くて熱があれば……腎盂腎炎!」
と思っていたら、実は別の疾患で痛い目にあった……という経験をされた方もいるのではないでしょうか。
頻度が高い疾患だからこそ、そこには臨床医の普段からの姿勢が現れてきます。カッコいい医師になるために、腎盂腎炎診療の深淵を覗いてみませんか?
本書籍は「治療」2021年9月号で大反響があった特集を書籍化したものです。項目数も増え、既存項目も加筆するなど大幅にパワーアップした内容となりました!
本の目次
とことん腎盂腎炎に向き合う
目次を眺めてみると、そもそも腎盂腎炎というテーマで46項目もあることにちょっと驚く方もいるかもしれません。普段から見ている疾患であるとはいえ、極めるポイントが少なくともこれだけあるということです。
診断編だけでも、問診、身体診察から尿検査、グラム染色、エコーにCTとトピックが盛りだくさんです。原因菌や抗菌薬のテーマもたくさんありますので、この本の内容をマスターしていくことが、感染症診療上達への近道になりそうです。
書籍版で新たに設けられた多職種連携編では看護師や薬剤師の方にご執筆いただいております。医師の診療も周りのサポートあってこそ。そして周囲が何を意識してケアにあたっているか知ることは、円滑なチーム医療において重要です。
カテーテル管理や導尿の指導、排尿自立支援や薬の相互作用など、広い視野を身に付けて、ワンランク上の診療を目指しましょう。
パグも冷や汗もの
カバーデザインについては、企画当初より編集の先生方から目立たせたい!とのリクエストをいただいておりました。
おしっこの本だとわかってもらえて、でも下品には見えないようにというバランス感覚の必要なデザインでしたが、モチーフを探しているときにパグのおしっこ中の写真を見つけ、「これだ!」ということでイラスト化してもらい、冒頭に示したデザインに決まったのでした。
ちなみに背景の丸模様は検尿カップの底にある三重円をモチーフにしておりまして(尿の色や濁りを見るための模様です)、当初パグ案の対抗デザインのひとつとして挙げたものを組み込んだのでした。
私がデザイナーさんへ「パグ案のほかにこんなのをイメージしたんですがパッとしなくて…」と渡した、○とりっぷみたいな(?)素案をここにあげて供養したいと思います。うーんパッとしない…
ちなみにカバーだけでなく紙面の方もおしっこ本ということをイメージして黄色系の配色となっています。
編集部目線の編集後記
こちらの企画は、雑誌特集からの書籍だったという点は触れましたが、そもそもの企画の発端は編集の長野先生のSNSでの投稿からでした。
「最近、誤嚥性肺炎の書籍や雑誌特集が盛り上がっているけれど、それと同じくらいコモンで発熱の原因となる腎盂腎炎についても取り上げればよいのに…」といった感じの内容だったのですが、当時、私の方も「終末期の肺炎」の書籍製作を終えて、誤嚥性肺炎に並ぶコモンな疾患である尿路感染症の企画ができないかと考えていたのですが、一度社内会議ではじかれてしまい、トホホと思っていた矢先に長野先生の投稿を見つけたのでした。
長野先生の投稿には徳田先生はじめ、それを見た多くの先生方がコメントで盛り上がっておりまして、
「これ出版社に持ち込みましょうよ! 最近だと〇〇社がいいんじゃないですか!」というコメントもあって、
「え、ちょっt…他社…」とかなり焦りました💦
長野先生の投稿を見つけてしまった手前、他社から刊行されたらめちゃくちゃ後悔する!と思って覚悟を決めて、長野先生にスライディング土下座する勢いで連絡を取ったのでした。
そんなわけで私としては不思議な引き合わせがあって成就した企画。コモンな疾患だけに多くの方に役立てていただける内容となっておりますので、ぜひ手に取っていただければ嬉しいです🐕
文責:編集部 カーター
リンク
・南山堂
・版元ドットコム
・Amazon
・楽天ブックス
電子書籍
・医書.jp
・M2PLUS
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?