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 怖い人が来た話。

 賭博の巨額借金がニュースになっていますね。

 私の親父は、バカでした。その構成要素の一つがギャンブル。

 私は、小学生低学年の時、親父に連れられて、競艇場に行った。

 時は流れて、高校二年の時、家に帰ると、叔父叔母やらが来ていて、只事でない雰囲気が流れていた。

 親父がギャンブルで大きな借金を作っていた事が露見した。

 母親に聞いたら、怖い人が取立てに来たとの事。怖すぎて、「すぐ返します」と言ったら、帰ったが、返すアテなどないと泣いていた。

 私は、腰が抜けて、その場に崩れた。頭の中を、高校中退というワードや家具に差押えの紙が貼られているビジョンがグルグル回った。人生、終わったと思った。

 叔父叔母たちと親父は深夜まで一室にこもっていた。

 母方の叔父に借金をして、従兄弟たちが、たくさんのサラ金業者に返済に回ってくれたらしい。保証人に私が生まれる前に亡くなった祖父の名前まで使っていたという。

 その後、我が家はボーナスを全て借金返済に。

 諸悪の根源である親父はというと、全く今まで通り、何事もなかったようにバカであり続けた。


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