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鳥見ハイキング<M山編>3/3話 2022年9月 カワセミのひな

    先日、久しぶりに鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんと鳥見に行きました。

 M山は探鳥会で歩いたコースでしたが、鳥にもクマにも会わず下山しました。

 山を下りると、川が目の前を横切るように流れていました。

 ここも草が伸びきっていました。
 鳥が隠れているかどうかさっぱりわかりません。

 川の流れに沿って細い道を歩きました。

 モカさんがすっと手を伸ばし、河原の一角を指しました。
 「モズミちゃん」

 モカさんはモズのメスのことをモズミちゃんと呼びます。
 モズのメスは美人さんで「モズミちゃん」という呼び名はけっこう合っています。

 モズミちゃんは私がカメラを向けた途端に飛び立ってしまいました。
 飛び立った先はやぶの中……

 下流にむかって、最初の橋に着きました。

 私は橋から下をのぞき込んで
 「カワセミがいそう」
 そうしたらモカさんが
 「あ、カワセミがいる」

 カワセミはついっと飛び立ち、川の上流へ飛んで見えなくなりました。

 青い背中を見送って残念がる私。
 「戻ってくるかなぁ」
 不思議そうにモカさんが
 「そこにいるのを撮ればいいじゃない」
 そう言って川を指しました。

カワセミのひなです。
オスですね。

 そこには細い木の枝があって、ちょこんと乗っているのはカワセミのひなでした。
 体の色が薄くて、長いくちばしを大きく開けて鳴いていました。

 ぴゃう、ぴゃう

 鳴き声もかわいい。

 ひなは一丁前に羽根つくろいをしたり、ストレッチみたいに伸びをしたりしました。
 くちばしをパクパクしているので親が餌をとって戻ってくるのを待っているのだと思います。

 見れば見るほど色が薄くて、ちょっと目を離すと位置を見失ってしまいます。
 ひなの時はカワセミも敵に見つかりにくい色をしているんだなぁ……と、感心。

カワセミのひな、
おくちの中はピンク色。

可愛い。

 カワセミの給餌場面がとれるかもとしばらく待っていたのですけど、とにかく日差しは暑く、山の中を歩いたのでおなかが減っていました。

 「帰ろうか」
 モカさんがそうに言うと、反対する理由はありませんでした。

 「じゃあ、最後に少しだけ」
 モカさんに待ってもらって、少しだけひなを撮りました。

 M山に、鳥らしい鳥はほとんど会えなかったのですけど、最後の最後にカワセミが撮れたので、かなり満足して帰路につきました。

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