強風の中を歩く 探鳥会レポート<W遊水地編>2/3話 2024年3月
先日、ニコ支部T分会の探鳥会に参加してきました。
場所はW遊水地という広い葦原と広い貯水池があるところです。
折からの強風で、鳥がまったく出てきませんでした。
探鳥会ご一行はかつて村だった史跡を歩き、貯水池に移動しました。
貯水池近くに立って水面を見渡しました。
T分会長は
「遠くてカルガモくらいしか分からない」
とつぶやきました。
その方向を見ると、水の浅瀬に色が抜けたような茶色の丸いものが並んでいました。
確かにカルガモだなと思いました。
貯水池の上を南北に歩ける通路があって、その道を進みました。
歩いていると、スコープ隊がスコープの三脚をにぎって立っていました。
にぎったままなのは強風で倒れないようにです。
列ができていたので、その後ろに並び、スコープを覗かせてもらいました。
私は覗く前にお礼を言うことにしています。
「ありがとうございます」
見えたのは白がハッキリと鮮やかな水鳥で、でも頭を背中に入れているので種類が分かりませんでした。
「ツクシガモだよ」
「え、ツクシガモですか」
九州(筑紫)の方に多い、こちらでは珍しいカモです。
顔が見えなくて残念です。
少し歩くと、またスコープに列ができていました。
さっそく並びました。
並んでいたらBWGのOさんに声をかけられました。
BWG(バードウォッチングガールズ)というのはニコ支部女性陣が仲良しなのでグループ名を付けたものです。
「ここは何を見ているの?」
「知らないけど見ておこうと思って」
順番が来て、スコープをのぞいたらハシビロガモが見えました。
「ハシビロガモでした」
Oさんに報告したら、そのOさんも並んでスコープを覗いていました。
歩いているときに、突然、Oさんは驚いた口調で言いました。
「えっ、富士山がふたつ!?」
その方向を見てみると確かに真っ白な雪山が二つ見えました。
詳しい人が
「あっちが富士山で、こっちは浅間山」
と、教えてくれました。
ぜんぜん違う方向にある山なのに、二つ並んでいるように見えるのが面白かったです。
風が強くて、スコープが活躍したのはこのあたりまででした。
「だめだ、風が強くてスコープが邪魔になってる」
カメラの方も、レンズが風で押されてしまい、まったく焦点を合わせられませんでした。
鳥がいると思ってもカメラを固定して持てないのです。
カモメがいるなと思ったのですが、うまく撮れませんでした。
そのうちに近くにいた人が「なに、カモメがいるの?」なんて騒ぎ出しました。
証人ができたので証拠写真が要らなくなりました。
私は列の先頭の方にいたので、早く折り返し地点に着きました。
ふりむくと、まだたくさんの参加者がこちらに向かって歩いています。
待っている人たちと
「今日は鳥が出ないね」
「メジロとかコゲラとか、小鳥がいないものね」
そんな話をしていました。
3につづく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?