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探鳥会レポートおかわり<M山編>2022年6月 サンコウチョウは見向きもしない。

    先日、ニコ支部の探鳥会に参加しました。
 朝早い分、終わるのも早かったので、2周目を歩いてきました。

 坂道をてくてく歩いて行くと、サンコウチョウの鳴き声が聞こえました。
 先ほどのガビチョウの鳴きまねではなく、本物が鳴いているようです。

 私の向かう先に大きなカメラを持った団塊世代が3人いました。
 きっと同じ鳴き声を聞いているのだと思われました。

 もし、ここで撮影する流れになったとき、険悪なムードにならないように挨拶をしておこうと思いました。

 「サンコウチョウですか」
 「さっきから聞こえていますね」
 こうに私が言うと、カメラを持ったひとりが応じてくれました。
 「あんたもサンコウチョウかい」

 団塊世代は仲間に目配せをして「いいか」と言いました。
 手には機械が握られていました。

 (あっ……)

 はじめて目にしたそれは野鳥誘引機に見えました。
 野鳥の持つ本能を逆利用して、鳥をコントロールすると聞いています。

 ゾッ……としたのは一瞬だけでした。
 実際には何も起こらなかったのです。
 「チッ、駄目か」

 なんで駄目だったのか、そばで見ていたのでなんとなく分かったけど、それを教えるほど親切ではないです。
 なんだ、ざんねんーってふりをして、団塊世代とは分かれて、そのまま山を目指しました。

   野鳥は野にあるままがいいのであって、本能に呼びかけて誘い出すなんてありえません。 

 山頂を越えて、小さな沢沿いに山を下りましたが、そこでまた先ほどとは別の団塊世代に会いました。
 「山頂から来たのか」
 「サンコウチョウはいたか」
 そうに聞くので、あえて涼しい顔を作って返事をしました。
 「鳴き声を聞きました」
 「……使ったのか?」
 そう言う団塊世代の手には野鳥誘引機が握られていました。

 (またか……)
 「使っていないです」

 鳴き声を聞いた場所を詳しく聞かれたのですが、私ははじめて来た山だったのでうまく説明できませんでした。

 団塊世代が落ち着いたタイミングで言ってみました。
 「鳴き声を聞いたけど、遠かったですよ」
 「近くなら私も撮ろうと思うけど、遠かったので諦めました」
 「……そうか」

 そこで団塊世代と別れました。
 たぶん、装置を使うのはとりあえず諦めてくれたんじゃないかな。

 山を歩いている私をねぎらってくれたり、駐車場まで送っていこうかと言ってくれたり、決して悪い人ではなかったので……複雑です。

 山を下りて川に出ました。
 オオヨシキリが元気に鳴いていました。

 オオヨシキリは太くて丈夫な葦が密に生えている場所で巣作りをするので、そういう巣作りに適した場所を縄張りにしているオスがもてるのだそうです。
 おかげでオス同士の縄張り争いは壮絶らしい。

 オオヨシキリのギョギョシーギョギョシーという鳴き声を聞きながら歩いていたら、河原にキジがたたずんでいました。
 カメラを向けても微動だにしませんでした。
 なかなか大物です。

にんげんをスルーぎみ

 もう少し歩くとさくらんぼが付いている桜の木があって、オナガがデザートを楽しんでいました。
 夢中になって食べていたので、甘くておいしいさくらんぼに違いありません。

さくらんぼ、さいこー
オナガもにんげんスルーぎみ

 こんな感じで同じコースを2周してきました。
 いい運動になりました。

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