探鳥会レポート<N湖畔編>3/3話 2022年6月 鳥不在、代わりに花を見る。
先日、N湖畔で行われた探鳥会に参加してきました。
N湖は標高1,600メートルの所にあります。
湖の北端、キャンプ場の駐車場に車を停めました。
キャンプ場の広場まで歩きます。
キャンプ場までの道には木のチップが敷いてあって歩きやすくなっているのですが、カーブが多い上に、登ったり下ったりの起伏が激しい道です。
人によっては「歩きやすい」と言うかもしれないし「歩きにくい」と言うかもしれません。
湖にそそぐ沢がいくつも流れていて、そこは別天地のように涼やかです。
探鳥会御一行はそういうところで耳をすませます。
「コマドリいないねぇ」
心得たようにベテランが言います。
「ここにコマドリがいたという記録は無いから」
探鳥会がありがたいなぁと思うのは、過去の記録から、鳥がいるところを的確に案内してくれるところです。
近くにいた人が
「ミソ!」
ミソサザイの鳴き声がしたと教えてくれました。
私も耳をすませましたが、水の流れる音が大きくて、かき消されてしまいました。
広く平らな場所に出ました。
風が吹き抜けたら気持ちが良さそうですが、今日に限って暑いのでした。
ベンチが並んでいて、お昼を持ってきた人はここで食べていいそうです。
探鳥会案内の通知に「用意する物:昼食」とあったので、私もおにぎりを持ってきていました。
湖を見下ろせる席に腰掛けて、のんびり食べていたら、役員の方が気を遣ってくれたのか、同じテーブルに来て食べてくれました。
その方は、K町でバードウォッチング教室を頼まれて講師をした話をして、私も楽しく聞くことができました。
ゆる支部だなんてゆるいあだ名を付けていますが、ちゃんと野鳥を切り口にした自然の良さを広める活動をしているのがすごいなと思います。
お昼を食べたところから双眼鏡を覗いていて、キジバトやモズ、ハシボソガラスを見ることができましたが、逃げるのが速くて一枚も写真が撮れませんでした。
休憩が終わって、また元の道を戻りました。
吊り橋を渡ったところで
「イチヤクが咲いています!」
こう女性が声を上げたので、その花をみんなで見てきました。
駐車場に着いたところで鳥合わせをしました。
「モズを見た人?」「はい」
「キジバトを見た人?」「はい」
ここまではいつもの鳥合わせと同じですが、今日は続きがありました。
「今日、印象に残った花は?」
みんな少し考えて
「……イチヤク?」
野鳥一覧表の最後の空欄に役員の方が書き加えました。
「ベニバナイチヤク」
参加者は大きく頷いたのでした。
遠いので気をつけて帰るようにと会長から挨拶があって、解散となりました。
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