鳥を数えて。 鳥見散歩<T沼編>1/2話 2023年12月
先日、鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんと鳥見に行ってきました。
F市にあるT沼は低い山に囲まれたところにあります。
T沼の周りを歩ける細い道があって、一周することができます。
前にモカさんと来たときは、そうとは知らず、途中で引き返してしまったのでした。
天気は晴れ、風は弱く暖かい日でした。
絶好の鳥日和です。
準備が整ったところで、さっそく歩き始めました。
駐車場から出ないうちにモカさんが
「いた!」
木の枝にいたのはジョウビタキのメスでした。
私が撮影していると、別の方向を見ていたモカさんが
「いた!」
今度は違う木の枝にホオジロがいました。
かなり幸先の良いスタートとなりました。
沼の水面に淡い色のカイツブリがいました。
「ハジロカイツブリだったらいいのだけど、目が赤くないから、カイツブリの若鳥」
鳥の声に耳を澄ませていたら、通りすがりの高齢女性から声をかけられました。
「鳥を見に来たの?」
その人も鳥が好きで、毎日T沼を歩いて鳥を見ているのだそうです。
話し上手のモカさんがその人から鳥情報を引き出しました。
鳥の鳴き声がしたので立ち止まりました。
女性は、一年中いる鳥には興味が無いのか、そのまま行ってしまいました。
モカさんが先に鳥の姿を認めました。
「エナガ、メジロもいる」
小さい鳥が枝を飛び移るのを確認できたのですが、見られたのはメジロだけでした。
「メジロだけ分かりました」
残念です。
この沼は、上から見るともみじの葉っぱのような形をしていて、入り江がたくさんあります。
「いいところだね」
モカさんが入り江を覗きながらそう言いました。
私は下に見える水面近くにキセキレイの姿を見つけました。
モカさんを手招きして指で示すと、モカさんはすぐにその鳥を見つけるのでした。
別の入り江では、水面の上を低く鳥が飛ぶのを見ました。
モカさんはすぐに鳥の正体が分かったみたいで
「カワセミ!」
鳥が止まった枝を見てみると、カワセミの顔には枝がかぶっていて、オレンジのおなかだけ見えました。
隣でモカさんが
「あれ?カワセミ?」
「オレンジのおなかだけ見えるよ」
「本当、オレンジだね」
私が撮影している気配に気付いたのか、カワセミはパッと飛んで逃げてしまいました。
「カワセミ、行っちゃった」
「しかも山の方に!」
「なんで~?」
私が鳥の名前をメモしているのを見て、モカさんが聞いてきました。
「何羽?」
「いち、に・・・14羽」
「カワセミは?」
「入れましたよ~」
見た鳥の数を気にするなんてまるで探鳥会みたいだと思いながら進んだのでした。
2につづく。
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