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落ちてきたら


紙風船で遊んだ記憶

広げるのも、膨らますのも、とても氣を使った記憶


そろっと広げないと、破れちゃうんじゃないか

膨らましすぎて、破裂するんじゃないか


薄いペラペラした紙でできているのに

そっと空氣を入れるとまん丸になる


わぁ•*¨*•.¸¸☆*・゚ ふんわりまあるい紙風船



打ち上げてみる

最初はそっと


なかなか高く上がらない

だんだんと力を強くする

それでもやっぱり、あんまり高くは上がらない

それどころか、綺麗なまん丸じゃなくなってくる

打つ手に力が入る

もうまん丸に戻らない



どうしてだろう

初めはあんなに氣を使って

そっとそっと

扱っていたはずなのに


一度打ち上げ始めたら

高く上がらない事の方に注意が向かう

初めはあんなに恐る恐る触っていたのに

パン!って力を入れて打ち上げる



どうして もっと高く って思うんだろう

さっきと同じでもいいのにな

綺麗なまん丸のままがいいのにな


紙風船はもうまん丸じゃなくなった

力を入れて打ち上げすぎて

空氣が抜けてしまった


自分の中からも何かが抜け落ちてしまったような

そんな昔の記憶になった



落ちてきたら 今度はもっと 高く高く 打ち上げようよ(紙風船:赤い鳥)



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