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聴こえる祖母の声

数年前に他界した母方の祖母は
大変我慢強く、精神的に強い人間だった。

昔はそんな祖母をハッキリしていて少し怖いと思う事もあったが
同時に
誰にでも優しい眼差しとお日様の様な温かさを併せ持つ人でもあった。

単身上京や出戻り、戦争や病気
様々な苦労を経験した様で
長生きはしたものの40代で祖父に先立たれてからは
ずっと一人だった祖母。

左薬指の指輪は生涯外される事が無く
心は一人じゃ無かったかもしれない。

しかし
いつか祖母が私に話してくれた本音がある。
(やっぱり寂しくてお爺さんの所に早く行きたい)と。。
私はまだ成人したばかりだったが切ない気持ちがした。
その言葉は家族にも言えず、そっと胸にしまった。


いつも様々な日常の悩みをひとり静かに
亡き祖父に語りかけていたのかもしれない。

しかし
小さな幸せに感謝し、人に感謝し、時に理不尽な人にはハッキリ物を言う正義感の強い人であった。

祖母は御縁という言葉を良く口にしていた。
物事は御縁で繋がっていると。。

謙虚に感謝しながら生きていればきっと様々な方向から素敵な御縁がやってくると。

テレビ等で男女関係の擦った揉んだを観ていると
祖母のそんな言葉を思い出す。

御縁があれば繋がっていく
離れてもまた出会う
無ければ
離れて行く

何もそう騒ぐ事では無いと。

心清らかになるべく笑顔で生きること。

たわわに実る柿の木とそれに群がるツグミや雀達
真っ青な空をみながら祖母を思い出す日。


物事は収まる所に収まり、御縁があれば繋がる。
そして
貴方の親は優しいから大事にしてあげなさい。と。

生きる姿勢、御世話になった人達に感謝する心が大事なんだと。


私はそれが今あまり出来ていないから、祖母の声が時々何となく聴こえて来るのかもしれない。

晴れ渡る日も
雨の日も
浮かぶあの笑顔

時代が変わり孤独で生きにくさもあるけれど、
祖母が教えてくれた生きる姿勢を忘れずに生きてゆけたらなぁ。

立派な大人にいつまで経ってもなれない私はダメダメだなぁ。


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