37.退屈と平凡を愛して

今日は推しがアイドルでいる最後の日。
日付が変わってしまったら事務所も退所して、いわゆる「一般人」になる。

頭ではわかっているし、長尾しおりちゃんのヲタクとしてやり残したこともないと言い切れるが、いざとなるとやっぱり寂しい。

昨晩遅く(日付的には今日)更新された推しの最後のブログには卒業ライブのこと、これまでのこと、メンバーへのメッセージ、今の気持ちが彼女らしく綴られていた。
優しくて、思慮深くて、でも芯のある、私の大好きな文章だった。


推しが満足そうに幸せに旅立っていくのと同時に、自分自身もアイドルヲタクという趣味に満足して、幸せに旅立っていける。
これは簡単には成立しない事象だと思う。
今まで約11年間アイドルヲタクをして、色んなアイドルを見送ってきたけど、今日まで続けて来たことが何よりの証拠である。
でも今の推しと私は色々な巡り合わせでそうなろうとしている。

卒業公演が延期されずに12/29に行われていた場合、私は翌日にも別のグループのメンバーの卒業公演に行くことになっていたし、フワフワした気持ちのまま6章のSUPER☆GiRLSにも通っていたかもしれない。

延期になったことで、新メンバー発表以降に気持ちを整えて卒業ライブに臨むことができた。(本来なら新メンバー発表と卒業ライブは同日に行われるはずだったが、延期になったことで別の日程になった。)
そして、私がアイドルヲタクとして観る最後のライブが推しの卒業ライブになったことも、清々しくアイドルヲタクを辞められるひとつの要因だと思う。



アイドルヲタクを辞めて、自分がこれからどういう人生を歩むのかは正直なところあんまり分からない。やりたいこともない。
なんだかんだ友人に誘われてライブやイベントに行くことはあると思うが、今の推しのように熱量をかけてアイドルを観ることはもうない。
どんなに魅力的なアイドルがいても、私にとっては長尾しおりを超える存在にはなれないからだ。

正直なところ、今まで自分にとっての「幸せ」とは何かあまり考えずに生きてきたし、何ならアイドルを観ている時間が一番幸せだった。
その反面、何も生み出していない自分自身のことは好きになれない日々だった。
そんな自分がアイドルヲタクを辞めることは不安もたくさんある。
それでも前を向いて、自分の人生を生きていこうと思う。
今までアイドルヲタクとして過ごしてきた刺激的な日々とは少し離れて、ゆったりとした生活をしたい。
推しがブログに書いた「幸せになってね」という最後のお願いを叶えるために、残りの人生(まだ20代後半ですが…)を精一杯生きようと思った。


推しメン、今まで本当にありがとう。
幸せになるから、幸せになってね。

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