22.声

9月のSUPER☆GiRLS(スパガ)は対バンへの出演が多くあった。
私自身はなんだかんだこの夏かなり現場に行ったし、9月からは少し落ち着きたいと思っていたが、結果的には全部の対バンに足を運んでいた。
それもあって、10/6の対バンにはあえて行かないことにして家にいたが、なんだかソワソワして寂しくなっただけだった。
結局干していい現場なんてないのだと思い知った。

それはさておき、そんな対バンの中で直前に声出し可能になったものがあった。
9/17に開催されたGIGA・GIGA SONICというイベントだ。

このイベントは当初の告知だと確か出演者6組くらいで、短めのもので好印象だったので、声出し可になる前からチケットを取っていた(結果的に気づいたら8組になっていたが…(笑))。

これは5期メンバー加入後(5章)のスパガにとっては初めての声出し可能ライブだった。
私はコロナ禍になってから(厳密には2021年春頃)今の推しメンを「推し」としたので、ライブ中に推しメンの名前を呼んだことがなかった。
別にそれを負い目としていたわけではないが、いざ名前を呼べると思ったらそれは嬉しかった。
何より、もうすぐアイドルを辞めてしまう推しがもう一度、これが最後になるとしても、声出し可能のライブを体感できることが嬉しかった。
(本人もヲタクのコールを聞きたいと配信などで言っていたので。)

当日、なんだか落ち着かずに早めに家を出た。
指定席なので早く行く必要もなかったのだが、開場時間前に現地に着いていた。
スパガの出番まで、場内で他のグループのライブを観ていたが、思ったよりヲタクの声は出ていなかったように思う。
(おそらくだが、他のグループは既に声出し解禁を体験したりしていて、対バンにしてはチケット代が高めのこのライブは避けられたのではないかと思った。)

そしてスパガの出番。
これまでの場内の雰囲気から、スパガメンバーが期待するような大きさのコールにはならないだろうと少し残念に思っていた。
それでも私は声を出そうと思っていたし、今か今かとメンバーが出てくるのを待った。

ただ、いざ始まるとそんな心配は不要だったと思えるくらいの声援があった。
逆にどこにそんなにヲタクがいたんだ…?と今でも不思議なくらいだった(笑)
あまりのフロアの熱気に、5期メンバーの田中想は笑ってしまい、MCでツッコまれたりしていた。

私自身、こんなに大声を出すのが久しぶりなんじゃないかというくらい声を出した。身体が声の出し方を忘れていたのか、すぐ喉が痛くなったが、それでも必死に推しの名前を呼んだり、コールをしていた。コールに関して思い残すことがないように、その日のセトリに対しては出し切れたと思う。
(思い残すことがあるとするならば、恋してYESでコールしたい…!!)

声を出しながら観るスパガのライブは、異常なほど楽しかった。久しぶりにフロアの熱気とメンバーの熱気がぶつかり合う感覚がしていたように思う。30分、あっという間だった。

最高の気分で外に出て、いつもお世話になっている、私が密かに尊敬するヲタクと酒を飲んで帰った。私は普段の対バン後は真っ直ぐ帰ることが多いが、この日は誰かと話さずに帰るのがもったいないくらいの高揚感だった。
解散の合図はチェキチャの通知だったのもなんともヲタクらしくてよかった。
会場最寄りの恵比寿駅前でそのヲタクが無事チェキチャを叩くのを見届け、帰路についた。

厚かましい願いではあるが、この日の声援が、ほんの少しでもいいから、これからの推しの人生の活力の一部になってくれたら嬉しい。
そして推しが卒業して、ビニールシート越しですら声を届けることができなくなっても、私は静かに推しの幸せを祈っていたい。


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