7.答えのない問い

​─これさあ、全部終わったあとに読み返したらどんな気持ちになるんだろうって想像してる。

お台場でのリリースイベントから数日後、またZOOMでの特典会があった。

推しが「新しいnote読んだよ」と言ってくれた。
まあリンクを毎度送り付けてるので想定できている展開なのだが、ただのヲタクの文章をわざわざ読んでくれているのは全く当たり前じゃないし、嬉しい。
そして、冒頭の言葉を言われる。
その瞬間、私は何も言えなかった。

推しは、「これ絶対今ちらちゃんに言うべきじゃなかったわ〜」と言葉を続け、笑っていた。
私がしんみりしないように、明るく振舞ってくれているのだろう。
私は、その時笑えていたのだろうか。

その後はリリースイベントの日の話をした。
推しにとっても特別な日だった、とか
(推しがヲタクの立場なら)暑すぎて家に帰ってたかも、とか、まあ割と他愛のない話だった。
正直なところ、返答するのでいっぱいいっぱいで、用意していた聞きたかったことはお預けになった。

あっという間に3分が過ぎ、推しの顔を映していた画面がただのアイコンとウィンドウが並ぶ味気ない画面に変わる。

"全部終わったあと"なんて言われても、
その時君はもういないじゃないか…
そう、思った。

投げかけられた答えの出ない問いが、
推しの口から発せられた何気ないその言葉が、緩やかに心を締め付けている。

この苦しさも、君が大切な推しだという証明になるとするならば、悪くないのかもしれない。

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