1.発表のとき

「私、長尾しおりは2022年12月末をもってSUPER☆GiRLSを卒業します。」


私が最初に「あれ?」と思ったのは今年の3月、高校卒業の時のブログだった。受験で目標に届かなかったと言いつつアイドルに集中するという宣言はアイドルとしての何らかの区切りが近いのでは?と感じざるを得なかった。

そして4月にはワンマンの告知の匂わせツイートもあったりした。ワンマンで、おそらく卒業発表か解散発表がある。今のうちに覚悟を決めておかなくてはいけないのだ、と強く思った。


6/11、SUPER☆GiRLS結成12周年ワンマン1部、レアな曲も多くて「もしかしたらこの曲はもう今日で最後なのかもしれないな~」なんて思ったりしていた。

1部と2部の間、気心知れた仲間たちとオシバト(約3年前に出たSUPER☆GiRLSのカードゲーム)をしながら冗談っぽく「卒業発表か解散発表があったらTIF行かなきゃな~」なんて話をした。
(私はTIFが好きじゃないので…(笑))

2部のアンコール、メンバーが出てくるまでの時間がとても長く感じて、すごくソワソワした。舞台が明るくなった瞬間にふーっ、と息を吐いて無理矢理リラックスしようとしたけど全く意味がなかった。
そして出てきた時の衣装を見て、確信した。
発表が、ある。

いつまでだろうか、卒業公演はあるのか、そもそもグループは存続するのか?
など色んな疑問がアンコール1曲目の間ずっと頭を支配した。

そして、MCで冒頭の言葉が告げられた。

決めていたはずの覚悟など無力であった。
ただ、その覚悟が邪魔をしたのかほとんど涙は出なかった。
真っ直ぐに客席を見つめながら話す推しの姿をちゃんと観ることができたからそれで良かったのかもしれない。

終演後のお見送り会、私は推しに何も言えなかった。
推しの後にいたメンバーが、私が通り過ぎたときに「ちらありがと!」と声をかけてくれた。
びっくりして「はー?」と声を出し、笑った。
多分彼女なりの気遣いだったのだと思う。
ありがとうリーダー。

その後、どうしても言葉が上手く出せず、食欲もなく、真っ直ぐ家に帰った。
そっとしておいてくれた周囲の仲間たちはさすがだと思った。みんな一生ヲタクしような。

帰宅して、どうにか風呂に入りお茶漬けを流し込み、布団に入った。ようやくそこでボロボロと涙を流した。疲れもあってか、気づいたら眠っていた。

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