ライオンの霰

ある日、青い空に突然強い風が吹いて雪が降ってきました。しかし、よく見るとそれは雪ではなく、海を渡って飛んできたウサギたちでした。彼らは粉雪のように小さくなっていました。

この国には、ライオンたちが住んでいました。ライオンたちは食べるものがなく、困っていました。そんな時、空から舞い降りてきたウサギたちに出会い、一緒にどうしたらいいか考えることにしました。

一人の子ライオンがウサギたちに尋ねました。「ウサギたちはどうしてこんなに小さくなったの?」すると、一人の子ウサギが答えました。「小さくなる魔法の薬を作ったんだ。」

子ウサギは提案しました。「もしライオンたちも小さくなれば、食べ物の心配も少なくなるかもしれないよ。」ウサギたちはライオンの背に乗って、一緒に材料を探しに行きました。

森からは魔法の草、川からは清らかな水、空からはひとつまみの星の粉を集めました。彼らは大きな鍋でグツグツと材料を煮て、小さくなる魔法の薬を作りました。

ライオンたちは薬を飲むと、すぐにウサギたちと同じくらいに小さくなりました。食べ物の心配もなくなり、みんなで楽しく暮らすことができました。

その晩、また強い風が吹いてきました。風に乗って、小さくなったライオンたちとウサギたちは、海を越えて隣国に飛んで行きました。

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