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トラウマ治療のその後④改善したこと色々…

トラウマ治療を受けて数年だった私の「今」について、続けて書いてきました。


トラウマ治療に対して過剰な期待をもつ方がいるのも本意ではなく、まずは治療後も残る不調も正直に書きました。


その上で前回は、身体の面で楽になったことを書きました。


今日はその他に、治療で変わったと感じていることを書くことにします。


1.希死念慮がほとんどなくなった

私は自分が「死にたい」と思うことを、物心ついたときには、ごく「自然なこと」として捉えてきました。ただ死ぬときの苦痛が嫌だというそれだけで生きてきました。

私の希死念慮がひどかったのは、幼少期からあまりにもいろんな要因が重なってのことだと思います。

でも、その中にすごく意外な出来事がありました。「苦痛なできごと」だけがトラウマ症状を引き起こしたり、希死念慮のきっかけになったりするわけではないんですよね。

これに対しては、SE(ソマティック・エクスペリエンス)で治療を行ったことで、希死念慮が薄らぎました。書き出すと長くなるので、また別のnoteで話す予定です。


2.自分の課題と、他人の課題を分けることができるようになった

私は日々、超絶不器用な子育てをしています。
ただ夫に言ってもらったことがあります。

「ちくわはさ、子どものためにできることは一生懸命やってるけど、『自分ができること』と『子ども自身のこと』を分けてるよね。
だからメンタル安定しながら子育てできてるんだね」


夫曰く、私の子育ての様子を見てはじめて、トラウマ治療ってこんな効果もあるんだと分かったとのことでした。

この私が「子育てしてて、メンタル安定してる」と身近な夫に言われるという衝撃たるや…。
(いや、不機嫌なことも正直ありますよ…)

夫はトラウマ治療中の私を一番見てきた人間ですが、治療中にかえって寝込むことが増えるなど、不安を覚える子ども多かったようです…。
神経系がーとか、フラッシュバックがー、とかよりも、自他の問題を分けて対処している姿が説得力を持ったようでした。。

(自分で書いてて恥ずかしくなってきた…。いつもニコニコしている母親ではないことは、申し添えます。)

自他の問題がぐちゃぐちゃになるのは、確かにサバイバーあるあるなのかなと思います。親自身が向き合うべき問題も背負わされて育つことが多いからです。
自他の境界線を引くことができて、
「ああ、これについては私が何かやって変わることじゃないな」と、やることはやりつつ気楽に構えるようになったのも、治療のおかげかもしれません。

※と、カッコ付けて書いた翌朝、子どもたちが朝からお人形を散らかしたのを見て、ブチギレてしまいました。最近気温や気圧の変化のせいで、キャパがいつも以上に狭くなってたからです…。

子どもたちには、
「怒ってごめんね。ママも本当はお片付け苦手なの。でも、きれいなお家が好きだからやってるんだよ(と言うほどやれてない)」
と謝りました…。。。


3.今の怒りを、過去が増幅させることがなくなった

トラウマって、あらゆる境界線をぐちゃぐちゃにするのかなと思います。自他の境界線に、現在と過去の境界線に…。

私は試行錯誤をしながら子育てをするようになり、改めて、
「なぜ母はちょっとしたことでも、あそこまで荒れ狂ったのだろう」
と考えるようになりました。

母も本当に怒っていたのは、目の前の私でなかったのかもしれません。
おそらく過去への怒りと、今起きていることに感じる怒りとがゴチャゴチャになっていたんでしょう。激しい怒りが出口を求めて、たまたま目の前にいたのが私だったことは想像に難くありません。


子育てする立場になると、母から受けた虐待を頻繁に思い出します。虐待サバイバーにとっての子育ては、虐待記憶が引っ張り出されてしまうトリガーだらけです。
私がトラウマ治療のチャンスに恵まれたときに思ったのは、「治療で、虐待の連鎖を止めてやる」と思ったことでした。

もちろん踏ん張ってきた方もいるでしょうし、尊敬しています。
ただ私は単に、そこまで強くないのです。
今でもイライラが酷いときは、精神科の頓服薬を飲むことがあります。絶対に、母のようにはなりたくないからです。

ただ虐待で戦闘モードになりやすくなっていた神経系が、治療で落ち着いたおかげで、子育てが楽になった面はあると思います。
過去で怒りを増幅させず、今の感情にだけ対処すればいいからです。

(個人的には虐待をしてしまった親には、心理療法を義務付けたらいいのではないかと思っています。神経系が傷んだままの子育ては、あまりにも苦しいと思うから…。)


【さいごに】トラウマと付き合えるようになるということ

ここまで書いてきたように、トラウマ治療を受けたからと言って、
・心身の不調がまったくなくなるわけでも、
・完璧な人間になれるわけでも、
ありません。

ただ色々な意味で、物事を分けて考えるようになります。そうすると、自分の状況がよく見えるようになるので手当ができるようになります。

トラウマが消えることはないけど、付き合えるようになる。それが私にとっての「トラウマ治療が効く」ということなのかなと思います。

つぎの記事では、私がトラウマ治療にかかった期間とか、まったく希望を抱けない話を書きます…。
本当は気が進みませんが、ここを書かないのは不誠実かなと思うので…。うう、でも書きたくない。り

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