エッセイ4-「将来、医師はAI医療をどのように位置づけるべきか。」

富山大学医学部の2019年度過去問を自分なりに回答してみます。今回は一から文章を考える際の私の思考も記します。

 今回のテーマは、AI医療と人間による医療という対立する2つを比較する類の小論文です。私が医学部編入の小論文を作成するにあたって必ず入れているのは、「未来の医療をどのように良くするか」という点です。

 学士編入は他分野からの人材流入により、現状の医療と他分野の知識とのシナジー効果を目的としているので、自然な発想だと思います。

 与えられている二者を比較するのですが、そのときのポイントとして、どちらかを全否定する必要はないということです。例えば、エッセイ2で記した「患者の声は、科学の未発見の部分に気づかせてくれるのだ」のように、片方がもう片方を補足しているように記載するのが1つの手段です。

 今回であれば、AI医療を「患者との信頼関係」や「人間の暖かさ」などの欠如を引き合いに出してAI医療を貶めるのは簡単です。しかし、過去の因習的なものに固執した精神論は、新たな視点から医学を切り開くことを求められる学士編入生の意見としては不適切でしょう。

 今回は、AI医療と人間による医療の長所・短所を比較して部分的に役割分担させるというのが妥当な落としどころなのではないかと考えます。

私はまず試験会場で即興でメインポイントを以下のように抜き出して考えます。

(1)近年のAIの発展は目覚しいが、現在の医師の業務の全てが代替されるとは私は考えていない。


(2)以下に両者を比較(全てを文章に記載する必要はありません)
AIの長所:AIはビッグデータの扱いと精密な分析が強み
AIの短所:①人間が重要と睨んだデータの入力でしかアウトプットが出せない②アウトプットの根拠がブラックボックス化されているときがあり、エラー時の責任を製作者が取るということも非現実的。
人間の長所:①生身の体への手技、②患者への心理的ケア、③「体力」など非パラメータ部分の直観的理解
人間の短所:①長時間労働ができない、②個人間の知識と判断にばらつきがある、③ヒューマンエラーがある

(3)上記の長所と短所を把握して役割分担を適切にこなすことができれば、医師が本来やるべき「患者への人間的ケア」にもっと時間を割くことができるはず。

本文は時間がないので記載しないことにしました(無料記事なので許してください)。

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