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短編『何も気にならなくなる薬』その106

朝、コーヒーを淹れて出勤。憧れの朝のルーティンだが、実際のところは淹れたのはいいものの、そんなに時間がないために味わう事もできずに飲み干して出発するのがオチだ。
そのために早く起きなくてはならないかと思うと、そこまで朝のコーヒーは重要ではないと思う。
あれは時間やお金に余裕のある人たちの娯楽だ。
こうも寒いとおふとんのほうが恋しい。
さて、今回の単語ガチャ。

「腹立つ」「朱子学」
「化粧室」「ヒアルロン酸」「ボディーブロー」

自分で縛りを作っておきながらメチャクチャなお題だ。
それでもとりあえず形にしていこうと思う。

朱子学?
朱子学の基本は、世の中のすべてのものや事柄は「理」と「気」の2つからなるとする「理気二元論」というものです。
「理」は万物がこの世に存在する根拠を指し、「気」は万物を構成する物質を指します。
……とのこと(以下引用元)

なんのことやらさっぱりですが、そもそも数行で表せるものではない。
こうした考え方というものは認識の違いから考えた当人とは違う解釈で世の中に広がっていくのが世の常のようです。
鵜呑みにすること、知った気になるというのは避けたいものです。

ヒアルロン酸?
美容のためには落ちてても拾うのがヒアルロン酸。
粘性のある水分の塊みたいなもの。
皮膚、軟骨、眼球に用いられることが多い。
美容、サプリメントの代表格といったところ。
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「で、その上司がすごい腹立つのよね」
「それわかる」
化粧室で女性二人が雑談をしている。
「お前らみたいのは朱子学を学べとか理由のわからないこと言ってるのよね」
「そんなのボディブロー食らわせちゃいなさいよ」
「えーっ、できないわよそんなの」
「そういえば、この間の話考えてくれた?」
「えっと、ヒアルロン酸の注射?」
「そっ、友達がそこで働いててさ、格安でやってくれるって話」
「でも初回はでしょう」
「もしかして、自分は美人だからいらないと思ってる?」
「そんなことはないけど」
「いいよね、美人はお金かけなくても綺麗でいられて」
「いや、そんなことは」

「ってことがあってさ、もー、すごい腹立つ、あんなの悪徳な勧誘にきまってるじゃん、どう思う」
「えー、そんなのボディブロー決めちゃいなよ。それはそうとこの間の話だけど」


思ったよりも短くなったので謎掛けでもしてみる。

ヒアルロン酸と掛けて
人気のテーマパークと解く
その心は
駐車(注射)待ちが多いでしょう

今日はここまで

美味しいご飯を食べます。