夜の罪

夜食。
それは魅力的な響き。
むしろ悪魔の囁き。
深夜の酔った足取りは、チェーン展開するファストフード店へと向かっていく。
体が油分を求めている。
でも、過度な油分は体に悪い。
たぶん求めているのは体ではなく、頭の方なのだろう。
体と頭は別物だ。
害虫を捉える罠のように我々を誘惑するそれらの飲食は、人間の弱い心、ちょっとした心の綻びを狙っている。

行き交うキャッチの文言を肩に当て、再び夜道を歩く。
足取りはまだ私の意思を持っている。
酔のせいではない。
私がそれを望んだのだ。
街灯が私にスポットライトを当てる。
私が私を俯瞰して、あぁ、こいつは馬鹿だと笑ってやる。
明日もこいつは生きていく。
それを見るのが面白くてしょうがない。

美味しいご飯を食べます。