東京オリンピックDAY11―救われた渡名喜
日本の金メダルの獲得個数が、史上最多となった。以前も書いたように、多額の税金を投入しているのだからこれぐらいやってもらわないと困る。
「参加することに意味がある」とは近代オリンピックの父・クーベルタンの言葉であり、それが理想ではある。しかし、もうその理想は我が国においては崩壊し、多額の税金が各スポーツに振り分けられている以上、国民に対する責任が発生してしまった。
選手が真剣に競技に向き合っている最中に税金のことを意識するのは不可能だと思うが、小中学生が使っている教科書は税金によって賄われていることぐらい、彼らも知っている。私はどういうわけか、自分が小学生の頃に毎年4月に税金と教科書の話を聞かされた。そのくせ教科書をろくに使わない科目もあったものだが。
柔道
団体メンバーのうち、圧倒的に金メダリストの割合が多い日本であるが、皆個人戦で力尽きたのか、フランスに決勝で負けた。
柔道に減量はつきもので、個人戦が終わって各人の役目は終わったと言っても過言ではない。仮に大野まで回っていたとしても、初戦で負けたように、必ず勝っていたかわからない。
メンバーは最軽量の2人を除くので、仮に日本が金メダルであれば、代表のうち渡名喜だけが金ではないことになっていた。やむなしだと思っていたら、銀メダルだったので、共産主義的な考え方だとみんなにメダルが行き渡ってよかったのではないだろうか。負けてよかったと言うのは、冒頭と矛盾しているけど。
BMX
スケートボードにしてもBMXにしても、別にオリンピック種目にならなくても十分選手が食べていけるだけのスポンサーがつくので、オリンピックも選手が終始ニコニコしている。それでいい。
その上で、高い技術を見せ合うという点においては体操と比べてもひけをとらないおもしろさがあった。せいぜい自転車でぐるぐるとウィリーするぐらいだと思っていたので、非常に奥深い世界があるものだと感じた。
ケガのリスクもあるだろうから一生やらないと思うけど、もし頑丈な体であればやってみたい気持ちはある。
女子バレー
古賀の捻挫が完治したわけではないだろうが、テーピング技術が進化したのかちゃんと動いていた。
韓国で言えば、キム・ヨンギョンは息が長い。日本の実業団でも活躍していたと思うが、何度も試合をしてもそれでも日本の敵となって立ちはだかる姿を見ると、本人の努力も並大抵のものではない。
非常にレベルが拮抗している日韓なので、どちらに勝ちが転ぶがわからなくておもしろい勝負ではあった。ただし宿命の日韓戦と煽られてもあまりピンとこない。同じ東アジア圏にあるだけ。
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